センバツ・生徒と間違えられた監督は……ここまでの秀逸コメント集
開催中の第96回選抜高校野球は、天候不良で順延。1回戦がほぼ終わったここまで、某出版社の「X」につぶやいた秀逸なコメントをまとめてみました。
・第1日
星稜4—2田辺
「冬場、人一倍練習していた子。最後によく打ってくれました」と9回、公式戦初打席の代打で決勝打を放った東汰生をたたえる星稜の谷村誠一郎部長。実は1979年、箕島との歴史的な延長18回を戦った年代で、残念ながら当時ベンチには入っていませんでした。ただ、その箕島戦に勝っていたら、次の試合ではノッカーを務めるはずだったとか。今回実施された甲子園練習ではノックを打ち、念願を果たしたそうです。
熊本国府2—1近江
熊本国府の山田祐揮監督は、31歳になったばかり。見た目も若々しく、試合前、先攻後攻を決めるジャンケンのために集まったとき、「選手と間違えられて、大会役員の方に『テーピング?』と尋ねられました。よくあることなんですけど」と苦笑い。それでも「あれで空気が和んで、よかったと思います」。
・第2日
阿南光11—4豊川
豊川のモイセエフ・ニキータが、飛ばないといわれる新基準バットで大会第1号ホームラン。だが、ポールの外側を通ったという声もあり「打球を追いながらファールだと思ったらホームラン。なにがなんだか……頭が真っ白でした」とは、打球を追った阿南光の戸田大貴右翼手。それでも、「新バットになって、あんな打球は初めてでした」ともう一度びっくり。
健大高崎4—0学法石川
監督として節目の甲子園30勝がかかっていた学法石川・佐々木順一朗監督。「投打とも相手が上とわかっていましたが、中盤までのロースコアは描いていた一番いい展開でした」。最終的には押し切られましたが、9回は「もしこの打順まで回れば(ケガをしている)大栄利哉を代打に」と願った通りにチャンスを拡大。大栄は凡退しましたが、なにかが起きそうなムードは作りました。
・第3日
創志学園7—0別海
3回の打席で二塁打の創志学園・杉山大宙。「監督が昨日から『明日は風が強いことを想定しておけ』と」。凡フライと思われた打球にも、強風でなにが起こるかわからないから、と全力疾走したのが二塁打につながりました。ほかにも1安打2四球と、二番の役割を果たしています。
山梨学院7—1京都外大西
山梨学院の先発投手は、登録変更でメンバーに入った津島悠翔。吉田洸ニ監督によると「練習試合で、一番安定していた」のが抜擢の理由で、期待に応え6回1失点の好投でした。「いつも厳しいことを言っているので、今日はほめてやりたい」と吉田監督も合格点。
・第4日
宇治山田商5—4東海大福岡
8、9回を無失点で締めくくった宇治山田商の中村帆高。「7回から9回がチームの弱みでした。自分も去年の秋は、制球でいっぱいいっぱいになっていた。ですが冬の間、腕の振りを小さくしたことで、変化球のコントロールがよくなりました」。重圧のかかる登板でも、アルプスの応援が大きな力になったそうです。
広陵3—1高知
初回先頭打者で二塁打し、先制のホームを踏んだ広陵・濱本遥人。「去年は周りが見えていませんでしたが、一番を打たせてもらっている以上、自分が振っていかないと後ろにもつなげられない。今日はいい感じで行けました」。ただ外野守備ではフライ処理が一度もなく、早く捕りたいそうです。実はセンバツではここ4大会続けて、1回戦を3—1で勝ったチームが優勝しています。果たして今回は……。
・第5日
神村学園6—3作新学院
タイムリーを含む3安打だった作新学院の四番・廣田瑠稀哉。「タイムリーは、その1球前のスライダーに反応できなかったので、もう1球続けてくる、と食らいつきました」。2時間36分の熱戦でしたが、「甲子園は試合の流れを早く感じます。アッという間でした」。
報徳学園3—2愛工大名電
2安打2四球とチャンスメイクに貢献した愛工大名電・石見颯真。実は秋までは外野手で「東海大会では内野が乱れたので、そこをなんとかしたかった。自分から、内野をやりたいと申し出ました」。最初は「まったく下手くそ」でしたが、ゴロ二つとフライ一つを無難に処理。さらに「最終目標はプロ。高校生の外野手は、このところドラフトされていないので(笑)」と内野転向のワケを聞かせてくれました。