ファミサポは怖い?現役保育士かつ提供会員がトラブルを避けながら利用する方法を解説【面談命】
子どもの送迎や預かりなど、子育ての援助を受けたい人と援助を行いたい人が会員となり、相互援助をする事業である「ファミサポ」。
興味があっても利用するまでのハードルが高いと感じている方も多いのではないでしょうか。
筆者は保育士であると同時に、ファミサポの提供会員(協力会員:援助を行う側)として登録・活動経験があります。
今回は、ファミサポの基本から賢く利用する方法まで、保育士&提供会員目線でファミサポを解説していきますよ。
Q. そもそもファミサポって何ですか?
A. ファミサポとは、厚生労働省による国の補助事業として平成6年度にスタートした子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)のことです。
子どもの送迎や預かりなど、子育ての「援助を受けたい人(依頼会員)」と「援助を行いたい人(提供会員)」が会員となり、相互援助をします。
ファミサポには、保育園等を利用せず家庭保育している方でも子どもを預けられます。就労の有無は無関係で、リフレッシュや休息という理由でも利用することができます。
Q. ファミサポを利用するときの流れは?
A. ファミサポを利用するときの流れは下図のとおりですが、運用の詳細は市区町村ごとに異なります。
参考(子ども家庭庁/ファミリー・サポート・センター)
ファミサポでは、育児の援助を受けたい人(依頼会員)と育児の援助をしたい人(提供会員)とが会員となり、ファミリー・サポート・センターの職員(アドバイザー)が両者をマッチングします。
Q. ファミサポの利用料金は?
A. ファミサポの利用料金は市区町村によって異なります。平日の日中に保育目的でサービスを利用した場合の料金だと、A市:700円/1時間、B区:720円/1時間、B市:800円/1時間といった具合です。
民間のベビーシッターサービスより格安ですね。
Q. ファミサポの提供会員は資格を持っている?
A. ファミサポの提供会員(協力会員)には、保育士などの資格は求められません。提供会員として登録するときの条件は、「市区町村内在住・心身ともに健康・子どもが好き・ファミサポ講習を受講できること」、たったこれだけです。
提供会員はどのような人なのか、自身の目での見極めが重要になります。
Q. 事前の打ち合わせでは何をするのですか?
A. 依頼会員としてファミサポに登録し、援助の依頼をするとファミリー・サポート・センターから提供会員を紹介されます。
依頼会員と提供会員とは、援助当日が顔合わせではなく、当日より前に対面で打ち合わせ・顔合わせがあります。
事前打ち合わせの場所
事前打ち合わせは、社会福祉協議会などの施設内で行われます。
ファミリー・サポート・センターの事務局がある施設内の会議室などで、机を囲んで話をするかたちです。
ファミサポのアドバイザー・提供会員・依頼会員が出席します。
事前打ち合わせの内容
事前打ち合わせは10分程度です。はじめましての自己紹介から依頼内容について話をします。
事前に記入した依頼内容を説明する書類を見ながら、例えば送迎の場合、「◯◯君を、◯◯小学校の学童から自宅まで送迎。時間は◯時で、送迎方法は車」などと読み合わせをします。
Q. 事前の打ち合わせで注意する点は?
A. 上述のとおり、提供会員になるために資格などは求められません。事前の打ち合わせでは、子育て経験の有無や人柄などを確認することが大切です。
また、子どもの保育が依頼内容で保育場所が提供会員の自宅内である場合、間取りや装備など提供会員の自宅の環境も確認しておくべきです。
事前の打ち合わせで依頼をしたくない提供会員だと判断した場合は、ファミサポのアドバイザーに連絡し、別の提供会員の紹介を依頼することができます。
Q. どこで子どもを保育してもらえる?
A. ベビーシッターサービスと異なり、ファミサポでは依頼主の自宅と提供会員の自宅の他、市区町村の施設内の託児室や子育て支援室などの選択肢の中から保育の場所を選ぶことができます。市区町村によっては、基本的に提供会員の自宅と指定されている場合もあります。
一方、提供会員の自宅の場合、事前打ち合わせで確認をしていたとしても、細かい環境までは分かりません。保育場所を選べる市区町村の場合は、特に初回のファミサポ利用時は、依頼会員の自宅または市区町村の施設内を選ぶことをおすすめします。
Q. ファミサポに子どもの送迎を頼むときは?
A. 小学校から自宅、学童から塾までなど子どもの送り迎えをファミサポの提供会員に依頼することができます。
事前打ち合わせにて送迎先を確認し、当日にファミサポの提供会員が子どもをお迎えに行きます。小学校や塾など送迎先の先生方にもファミサポの提供会員に送迎を依頼した旨を事前に通知しておく必要があります。
提供会員はファミサポ登録証を送迎先の先生方に提示した上で、子どもを預かり送迎先に送り届けるかたちです。
Q. ファミサポに家事を依頼できる?
A. 産後や保護者が病気の際などに、ファミサポの家事支援・家事代行を利用できます。
家事支援でのファミサポ利用の場合、産後◯週間後までなど利用条件が決められていることが多く、利用可能期間は市区町村によって異なります。
体調不良時にファミサポの提供会員に家事をしてもらいながら、自身が休息を取るといったことができます。
まとめ
保育士かつファミサポの提供会員の立場から、ファミサポの基本と賢く利用するための秘訣まで、Q&A方式で解説してきました。
ファミサポはベビーシッターと似ていますが、実態は異なるものです。
ファミサポとベビーシッターとの違いについては、「ファミサポとは?ベビーシッターの違いを現役保育士かつ提供会員が解説」という記事で解説していますので、合わせて参考にしてくださいね。