AI先進国アメリカで未来を感じる「AIサミット」に3500人来場。生成AIに関心集まる
12月6日、7日の2日間、ニューヨークでAI関連のコンベンション「AIサミット・ニューヨーク」(AI Summit New York)が催された。
会場のジャヴィッツ・センターには、2日間を通してテクノロジー、金融、ヘルスケア、小売、旅行関連の企業幹部や投資家ら3500人が訪れた(主催者発表)。この数は昨年の倍だそうだ。人々のAIに関する関心の高さを物語っている。
The AI Summit New York 2023 - Day 1 Highlights
- 1日目のハイライト動画
会場内のステージでは、OpenAI、Google、AWS、Meta、Microsoftなど注目度の高い大手企業の幹部376人がスピーカーとして登壇し、各会場は満席となった。
登壇したルフトハンザ・グループの担当者は、「AIは人件費とワークフローの質に影響を与える。業務の自動化と効率向上のために各種AIツールは欠かせない」とし、今後増えていく航空機搭乗手続きやラウンジ使用のための顔認証システムなどについても説明した。
今年のパネルディスカッションで特に関心を集めたのはジェネレーティブAI(生成AI)*の領域だった。登壇したフェデックス(FedEx)CTO、アダム・スミス(Adam Smith)さんは、参加者から生成AIに関してのアドバイスを求められると、小規模のチームでも生成AI分野に取り組んでいない企業や経営陣は時代に遅れを取っているという趣旨の発言をし、今すぐ取り組む必要性を強調した。
- * Generative AI:コンピュータが学習したデータを元に、新たなデータや情報をアウトプットする技術
またこの日、出展した企業数は100社以上に上った。
出展した数人に話を聞くと、自社のAI技術のプレゼンテーションのみならず、AI関連の新規事業をする上で市場調査をしたりサービスのフィードバックを得たりする目的で出展した企業もあった。また、シリコンバレーで働く男性は、この日の印象として「AIはこれまでハードルが高いというイメージがあったけど、どの会社も『導入しなければ』という社会的重要性のようなものが徐々に意識として出てきているようです」と話した。
AIを活用することで合理的に業務を遂行し、収益を上げ、イノベーションが推進される未来が見えてくる。その一方でセキュリティや著作権などの問題は解決しておらず、導入によるリスクも同時に伴ってくる。リスクを危惧する登壇者からは「まだ塗装前の道路のようなもの」という声が聞こえてきた。
法整備がまだのリスクとどう向き合っていくのか。AI開発や導入の最先端とされるアメリカでもまだ多くの企業は手探り状態のようだ。
(Text and some photos by Kasumi Abe)無断転載禁止