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週明けは台風3号の水蒸気がUターンしてくる…「警報級」の場所は?新たな熱帯低気圧も:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
28日9時の予想天気図(気象庁HPより)。前線は東北に、西日本では高気圧が強まる

28日は台風3号から変わった熱帯低気圧が中国大陸を北上し、29日(月)・30日(火)にかけて梅雨前線と一体化しながら日本に近づいてくる見通しです。
まるで台風3号由来の水蒸気が「Uターン」してくるような形で、日本海側や北日本中心に雨の量が再び多くなるおそれがあります。

一方、太平洋高気圧が西日本中心に強まり、28日~29日をピークに体温を超える暑さになるところが多くなるでしょう。

東北は朝晩中心に雨、関東以西は雷雨おさまる見込み

28日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成。
28日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成。

28日は山形・秋田では朝晩中心に雨が激しく降り、青森や新潟でも断続的に激しく降るおそれがあります。
28日夕方までに予想される雨の量は多いところで、山形・秋田・青森で150ミリ、新潟100ミリとなっています。

関東~沖縄では晴れて猛暑となり、前日までと比べて午後に急な雷雨になるところはかなり少なくなる見込みです。

このさき「警報級の大雨」が予想されている場所は?

(左)29日、(右)30日の大雨警報の可能性「早期注意情報」(気象庁HPを元に作成)。最新の情報は必ず気象庁HPで確認を。赤が「高」(警報が出る可能性が高い)、ピンクが「中」(可能性は五分五分)。
(左)29日、(右)30日の大雨警報の可能性「早期注意情報」(気象庁HPを元に作成)。最新の情報は必ず気象庁HPで確認を。赤が「高」(警報が出る可能性が高い)、ピンクが「中」(可能性は五分五分)。

台風3号由来の水蒸気が流れ込む29日(月)・30日(日)は、日本海側や北日本中心に再び雨の量が多くなりそうです。

気象庁が発表している「早期注意情報」によると、このさき29日(月)は東北と新潟、そして30日(火)は北海道のオホーツク海側を含めた広い範囲で、大雨警報の可能性があるとされています。

「早期注意情報」で可能性が高い(赤色)と出ているところは、かなりの確率で警報を出すとされているところ、ピンク色の「中程度」は一般的に感覚がわかりづらいと思いますが、筆者がこれまで見てきた限りでは警報が出た場合と出なかった場合が半々ずつです。

猛暑の期限がついに「1か月」に伸びた!?新たな熱帯低気圧も近づけないレベルの猛暑

週間予報(気象庁HPより)。
週間予報(気象庁HPより)。

気温が平年を大きく上回る状態が何日も続くとき、気象庁からは「このさき〇日頃にかけて高温が続く」といった情報を出します。
だいたいは数日~1週間程度先の日付が示されますが、今回気象庁は「約1か月ほど続く」という情報を出しました。

このさき南海上(フィリピン付近)で新たな熱帯低気圧が発達する見通しで、台風に成長する可能性もありますが、太平洋高気圧が強いために本州付近に近づけない見込み。
逆に言うとそのくらい暑さが厳しくなりそうで、暑さへの対処はかなり長いスパンで考える必要がありそうです。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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