このチームのサイクル安打は34年ぶり。新たに「最もサイクル安打から遠ざかるチーム」となったのは
6月23日、エリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)は、サイクル・ヒットを達成した。2回裏の二塁打、3回裏のホームラン、5回裏のシングル・ヒットでリーチをかけ、6回裏に三塁打を打った(8回裏の5打席目は外野フライ)。
デラクルーズは、21歳のルーキーだ。今月6日にメジャーデビューした。イライアス・スポーツ・ビューローによると、デビューから15試合目のサイクル・ヒットは、1900年以降3番目の速さ。6試合目に達成したクリフ・ヒースコート(1918年6月13日)と14試合目のゲリー・ウォード(1980年9月18日)に次ぐという。
21歳163日でサイクル・ヒットは、ベースボール・アルマナックやMLB.comのサラ・ラングスによると、5番目の若さだ。こちらは、20歳75日のメル・オット(1929年5月16日)、20歳140日のヒースコート、21歳107日のアーキー・ボーン(1933年6月24日)、21歳159日のセイザー・セデーニョ(1972年8月2日)に次ぐ。ちなみに、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)は、10年前の5月21日に、21歳287日でサイクル・ヒットを達成した。
また、レッズの選手によるサイクル・ヒットは、1989年6月2日のエリック・デービス以来。34年ぶりだ。デラクルーズが達成するまで、レッズは「最もサイクル・ヒットから遠ざかっているチーム」だった。デービスとデラクルーズの間の達成者は、延べ123人を数える。
各チーム最後のサイクル・ヒットは、以下のとおり。
ボストン・レッドソックスは、2018年のディビジョン・シリーズ第3戦に達成したブロック・ホルトが最後だが、レギュラーシーズンに限っても、最後は同じく2018年だ。この年の8月9日に、ムーキー・ベッツ(現ロサンゼルス・ドジャース)が達成している。
ホルトのサイクル・ヒットについては、その直後にこちらで書いた。
◆「ポストシーズン史上初のサイクルヒット。達成した一打は、野手から打ったホームラン」
デラクルーズの達成により、「最もサイクル・ヒットから遠ざかっているチーム」の称号は、レッズからカンザスシティ・ロイヤルズに受け渡された。ナ・リーグで最も遠ざかるチームも、レッズからシカゴ・カブスとなった。今世紀のサイクル・ヒットがないのは、ロイヤルズとカブスの2チームだけだ。
現在のロイヤルズで、最もサイクル・ヒットを達成しそうな選手を挙げるとすれば、ボビー・ウィットJr.だろうか。今シーズンのホームランと二塁打はどちらも二桁に達していて、三塁打を4本打っている。カブスに、ホームランも二塁打も二桁の選手はいない。
なお、レッズでサイクル・ヒットを達成した「直近」の2人、デービスとデラクルーズの相似については、こちらで書いた。
◆「赤い衝撃。レッズの「44」はデビュー2試合で二塁打、ホームラン、三塁打」
日本プロ野球の各チームで最後にサイクル・ヒットを達成した選手については、2年前の夏に、こちらで書いた。その後の達成者は、2021年9月18日の塩見泰隆(東京ヤクルト・スワローズ)だけだ。