各球団最後のサイクル安打。横浜DeNAの牧は球団3年ぶり10度目。30年以上も途絶えている球団は…
8月25日、牧秀悟(横浜DeNAベイスターズ)が、サイクル安打を達成した。最初の3打席で、二塁打、ホームラン、シングル・ヒットを記録し、リーチをかけ、捕手フライを挟み、5打席目に三塁打を打った。横浜DeNAの選手によるサイクル安打は、2018年7月20日の桑原将志以来。牧が達成した試合には、桑原も出場した。
各球団のサイクル安打の回数と、現時点で最後の達成者(とその年月日と各打席)は、以下のとおり(現12球団のみ)。東北楽天ゴールデンイーグルス(2005年~)の達成者は、まだいない。
東北楽天を除く11球団中、北海道日本ハム・ファイターズは、サイクル安打の達成者が最も長く途絶えている。日本ハム・ファイターズ時代の1989年10月1日に達成した、田村藤夫が最後だ。その後、30年以上にわたり、空白が続いている。オリックス・バファローズと埼玉西武ライオンズも、球団最後のサイクル安打は、東北楽天の誕生前だ。オリックスの場合、2003年5月3日のホセ・オティーズは、延長戦に入ってから達成した。9回裏までに達成した選手に限ると、オリックスの最後は、1991年5月24日の松永浩美となる。
回数は、横浜DeNAの10度が最も多い。牧が達成する前から、最多だった。ただ、そのうちの3度は、ロバート・ローズによるものだ。1995年5月2日、1997年4月29日、1999年6月30日に達成した。メジャーリーグでは、トレイ・ターナー(現ロサンゼルス・ドジャース)が、2017年4月25日と2019年7月23日に続き、2021年6月30日にもサイクル安打を達成したが、1年おきに3度は、ローズのほうが20年以上も早い。ターナー(とサイクル安打が多いメジャーリーガー)については、先月、「1年おきに「サイクル安打」を3度達成。この法則(?)が続けば、再来年に最多記録を塗り替える」で書いた。
3度達成のローズを1人として数えると、横浜DeNAの達成者は8人となり、中日ドラゴンズと並ぶ。中日で5人目(2003年6月8日)の福留孝介は、13年後の2016年7月30日にもサイクル安打を達成しているが、2度目の時は阪神タイガースにいて、その試合の相手が中日だった(1度目の相手は広島東洋カープ)。今シーズンより、福留は再び中日でプレーしている。他には、藤村富美男と松永が2度ずつ達成しているが、異なる球団の選手としてサイクル安打は、福留しかいない。
なお、桑原から牧まで、ここ4度のサイクル安打は、すべて横浜DeNAが関わっている。この2人の間に達成した、2018年8月16日の平田良介(中日)と2019年4月9日の梅野隆太郎(阪神)は、どちらも横浜DeNAの投手から全種類のヒットを打った。また、直近2度の梅野と牧は、どちらも横浜DeNAと阪神が対戦した。ただ、ここ4度とも球場は違い、桑原は横浜スタジアム、平田はナゴヤドーム、梅野は阪神甲子園球場、牧は京セラドーム大阪でそれぞれ達成した。