Yahoo!ニュース

キャンプの暖房に使えるロケットストーブの作り方!一斗缶でもロケット マス ヒーターの構造なら暖かい!

たびんちゅや節約キャンプ旅研究家

ロケットストーブとは、煙突効果を利用して高温で二次燃焼する構造を持つ高火力なストーブのことです。

一般的には、一斗缶にL字煙突を取り付けて中に断熱材を詰めて作る簡易的なストーブが良く知られていますよね。

しかし、このタイプのロケットストーブは熱が上空に直接逃げてしまうので暖房器具として使えないのが難点です。

そこで、煙突で排煙をする本格的な二重構造のロケット マス ヒーター タイプのストーブを製作してみました。

この記事では、持ち運びに便利な一斗缶サイズのロケットストーブを作る方法を紹介します。

製作材料

本格的なロケットストーブを製作するには、以下のものが必要になります。

【本体の製作材料】
・フタ付きの一斗缶:2ヶ
・φ120mm L字煙突:2ヶ
・φ120mm用のパイプバンド:2ヶ
・φ100mm用のパイプバンド:1ヶ
・φ120mm 直管煙突:1ヶ
・φ100mm 直管煙突:1ヶ
・ボルトとナット:7ヶ
・パーライト:一袋

一斗缶は塗料の空き缶などを流用すれば購入費用は無料です。

おススメなのは最初からフタが付いている食品用ですね。

もし、一斗缶のフタが無い場合は使い古した焼きそばプレートを流用しても良いでしょう。

他の部材はホームセンターで揃うと思います。

燃焼筒の製作

最初にロケットストーブの内部パーツ「燃焼筒」を製作します。

まずは金切りバサミを使って一斗缶を切り開いて一枚の鉄板にします。

その鉄板を折り曲げて一斗缶のサイズより3センチほど小さい箱を作ります。

鉄板を折り曲げる時は、手を切らないようにゴム手袋等を着用して下さいね。

出来上がると、鉄板に余った部分が発生しますが切り取る必要はありません。

縦の接合部分に鉄板用ドリルで穴をあけてから、ボルトとナットで3か所を固定しています。

箱の内側でナットを固定するのがポイントです。

そして、箱の底板として使う材料は一斗缶の下面を切り取ったものを再利用します。

底部分は4か所の角(コーナー部分)を金切りバサミで切り取ってからペンチで折り曲げています。

ここも接合部分は鉄板用ドリルで穴を空けてからボルトとナットで固定します。

箱の内側から見ると四隅に固定されたボルトが確認できると思います。

完成した箱にφ120mmの煙突口径と同じサイズにマジックで円を描き、下の写真のように切り込みを入れます。

そして、切り込みを入れた部分を内側に折り曲げてL字煙突(直角曲がり)を取り付けます。

煙突の口は切り込み部分をペンチで引っ張りながら作業すると入れ易いです。

ストーブ本体の製作

今度は別の一斗缶を加工して「ストーブ本体」を製作します。

こちらも先程と同様にφ120mmの煙突直径と同じサイズに切り込んで、今度はミミ部分を外側に折り曲げます。

そして、この一斗缶の中に最初に製作した燃焼筒を取り付けます。

L字煙突が燃焼筒とロケットストーブ本体を貫通する形になります。

L字煙突は以下の2か所をパイプバンドで固定します。

①本体の外側
②燃焼筒の内側

次にL字煙突の上面の口が燃焼筒の上面と同じ高さになるように直管煙突を継ぎ足します。

φ120mmの直管煙突を必要な長さにカットして差し込むだけです。

そして、今度は「排煙口」を作ります。

L字煙突が出ている面の反対側に穴をあけて、そこに煙突直管の端(接続部分)をカットして取り付けます。

注意点として、排煙口にはオス側(直径小)をカットして使います。

シングル煙突はメス側(直径大)を上から差し込みますからね。

排煙用の煙突が直径 φ100mmなので、排煙口も同じサイズの穴をあけます。

この穴もハサミで切り込みを入れてミミ部分外側に折り曲げます。

そして、カットした煙突直管を穴に差し込んでパイプバンドで固定します。

ポイントとして、カットした煙突直管は内側に はみ出さないようにします。

そして、断熱材を燃焼筒に充填します。

今回はとっても軽量なパーライトを使います。

ただ、軽量なパーライトはストーブ内の熱風で飛びやすいのでカバーをする必要があります。

断熱材のカバーは余った一斗缶のフタ、もしくは一斗缶の上面を切り取ったもので作ると良いでしょう。

そして「焚き口」を取り付けます。

ロケットストーブ本体から出ているL字煙突に別のL字煙突(φ120mm)を差し込むだけです。

L字煙突にもメス側(直径大)とオス側(直径小)がありますが、今回はロケットストーブ本体からオス側を出しているので差し込むのはメス側の方です。

差し込んだL字煙突は、そのままでも焚き口として使えますが縦方向の部分をグラインダーでカットします。

こうすることで2点のメリットが生まれます。

①空気の吸い込み力がアップする
②長い薪でも簡単に入れる事ができる

焚き口のL字煙突は取り外せるので、灰を取り出して簡単に掃除ができる利点もあります。

あとはロケットストーブにフタをして燃焼させ、本体の錆止め塗装を焼き切ります。

ロケットストーブの天板

ロケットストーブに取り付ける天板(フタ)なのですが、これが意外と難題です。

一斗缶のフタは、鉄板が薄いので数回使うと穴があいてしまうんですよね…

火力が強すぎてフタの内側がボロボロになってきます。

そこで、家にあったサビサビの焼きそばプレートをグラインダーでカットして取り付けて使ってみました。

鉄板の四隅をボルトとナットで固定しています。

これなら、耐久性が格段にアップします。

ちなみに焼きそばプレートは、そのままロケットストーブに被せて使うことも出来ます。

使用したサイズは30cm×30cmの「バーベキュー鉄板」です。

耐熱塗装をする

ロケットストーブの耐久性を上げる為に、耐熱塗料スプレーで塗装します。

錆止め塗装が焼けてしまった一斗缶は耐久性が落ちていますからね。

耐熱塗料は熱を加えて硬化させる時に煙が出ますので、換気のよい場所でロケットストーブに点火します。

※ 排煙口にはφ100mm L字煙突 + φ100mm 直管煙突 + 煙突トップを取り付けています。

煙突の種類

ロケットストーブの排煙には以下の煙突部材を使います。

【使用する煙突部材】
・φ100mm× 直管煙突
・φ100mm L字煙突
・φ100mm 煙突トップ

まずは、ショートバージョン。

L字煙突 + 50cm 直管煙突 + 煙突トップ

下の写真では赤ちゃん用のミルク缶で自作した煙突を使っていますが、普通の直管煙突で構いません。

そして、ロングバーション。

L字煙突 + 50cm 直管煙突×5本 + 煙突トップ

ロケットストーブは本体から排煙を押し出す力が強いので縦引き煙突と横引き煙突の長さが同じでも排煙します。

しかし、縦引きの煙突を長くする方が火力はアップします。

火力を上げたら、真冬でも暑いくらいです。

温度を上げる時は針葉樹、薪を長持ちさせる時は広葉樹と使い分けると良いでしょう。

収納サイズ

製作したロケットストーブの収納には、一般的な灯油用ポリタンクが2缶入るベランダコンテナが最適でした。

ボックスの中には以下のものが収納されています。

・ロケットストーブ本体
・焚き口(L字煙突):1個
・φ100mm L字煙突:1個
・φ100mm 煙突トップ:1個
・ストーブ台座:1個
・500mm×直管煙突:3本
※自作の入れ子式煙突なら5本可能
・百均火ばさみ:1本
・百均焚き火シート:1枚
・ペグ、ロープ:各3ヶ
・手袋
・ナタ、ノコギリ
・ガスバーナー
・一酸化炭素警報機

小さな道具や細い道具は煙突の中に収納できます。

ボックスと本体のダークカラーがマッチして、なかなか良いですね。

サイズの割には意外と総重量は軽いですよ。

最後に

ロケットストーブはキャンプの暖房器具として十分に使えます。

しかし、密閉されたテントやタープの中で火気を使用する際は、一酸化炭素中毒に注意する必要があります。

必ず、一酸化炭素警報機を設置してから使いましょう。できれば頭上と足元に2個。

そして、就寝時は完全に消火してドアを開放した状態で眠る事をおススメします。

強風が吹いて煙突から排煙が逆流する事もありますからね。

ロケットストーブでお湯を沸かして湯たんぽを作っておけば、朝まで暖かく過ごせますよ。

冬キャンプは安全第一で楽しみましょう!

節約キャンプ旅研究家

お金を掛けずにキャンプや車中泊をしながら野宿旅を楽しむ方法や旅のトラブル対策などを紹介しています。 他にも自作のキャンプ道具やキャンプ・車中泊の裏技なども発信しています。

たびんちゅやの最近の記事