旧統一教会への第五次の集団交渉申し入れ 6日に決定した文部科学省による過料を求める通知についての見解
9月4日、全国統一教会被害対策弁護団は司法記者クラブで会見を行い、団長の村越進弁護士は「本日、第五次の集団交渉の申し入れを致しました。今回の通知人は13名で被害者の数は15名であり、総額で約3億7200万円となり、第一次から五次まで合計しますと、通知人は116名、被害者の数は124名の請求金額の総額は、約39億5600万円になります」と話します。
阿部克臣弁護士より概要の説明がありました。
「今年の2月以降、四次まで集団交渉の申し入れを行ってきたわけですが、第五次の集団交渉の申し入れの通知書を統一教会に対して発送しております。通知内容における違法性の理由については、第四次まで同じように、正体を隠した組織的な働きかけ、これによる自由な意思決定の侵害を理由にしておりまして、具体的な被害としては、家族が自殺・早死にした、家族の病気などの悩み苦しみにつけこまれて、恐怖不安を煽られるケースがほとんどでした。四次までは、7月31日に東京地方裁判所に民事調停の申し立てを行っていますが、第五次の集団交渉においても、統一教会の対応が第四次と同じということであれば、追加で民事調停を申し立てていくことになると考えております。今後、六次の集団交渉も、準備の整った方から、順次、集団交渉の申し入れを行っていく予定」とも話します。
教団への過料を求める通知についての見解
これまで文化庁は旧統一教会に対して、7回の質問権行使をしましたが、回答拒否などの不適切な回答が多数に及ぶとして、9月6日に、文化庁は宗教法人審議会にはかり、宗教法人法に基づいた過料を求める通知を7日に東京地方裁判所に行うことを決定したとのことです。
すでに全体の2割にあたる100項目以上に、旧統一教会側は回答していないという報道がなされており、かなりの数に上っています。
回答拒否100項目以上 質問権行使に旧統一教会 (共同通信)
会見のなかでも、旧統一教会への過料を科すことへの見解への質問があり、紀藤正樹弁護士は次のように話します。
「これまで、過料の制裁自体は過去には何度もあるかと思いますが、今回の質問権行使に対しての過料は初めてになります。過料の手続きに関しては、過去にも何度もやっていますので、宗務課においては経験豊富だと考えてもらってよいと思います。問題は過料という行政処分なので、場合によってはそれについて異議を出すということはありえる」としています。また、もし過料の決定が出て「解散命令の判断が早期に出ることに向かえば、被害者救済にもなる」とも話します。
阿部弁護士は「質問権の行使に対して過料の申し立てがされると、初めてになります。過料が科されるということは、質問権に回答しなかったということになりますので、法令に違反することになりうると思います。解散事由の要件として、公共の福祉に著しく反するとありますので、法令違反だけというわけではないですので、解散事由を裏付ける一つの材料にはなりうるものではないかと個人的に考えています。解散請求と過料の手続きは、別途のものだと思いますので、過料の手続きが進むとしても、解散請求は解散請求で要件が整った時点で、速やかに行っていただきたい」と話します。
いずれにしても、文部科学省からの過料の申し立てが裁判所において決定されれば、旧統一教会側に行政罰が出されることになりますので、解散命令請求の動きの一助になると思われます。
これまでの教団側が自分たちにとって都合の悪い質問には答えない姿勢が、より自らを窮地にたたせる結果になるかもしれません。