なぜレアルはデイビースを“確保”しようとしているのか?ベリンガム、ヴィニシウス…若いタレント発掘方針
次のターゲットを、定めようとしている。
2023年夏の移籍市場は閉幕した。だが動きを止めないクラブがある。レアル・マドリーだ。
■バイエルンと契約延長の交渉
現在、マドリーが狙っているのは、アルフォンソ・デイビースである。
デイビースはバイエルン・ミュンヘンと2025年夏まで契約を結んでいる。しかしながら、バイエルンとの契約延長にサインをしておらず、次の夏に移籍する可能性が浮上している。
来夏、契約期間が残り一年になる。そのタイミングでバイエルン側としては売却を考えざるを得ない。そこに目をつけたのがマドリーだ。
マドリーが「再現」しようとしているのはトニ・クロースの例である。
クロースは2014年夏にバイエルンからマドリーに移籍。当時、契約期間が2015年夏までとなっていたなかで、マドリーが触手を伸ばした。
最終的には、移籍金2500万ユーロ(約39億円)でオペレーションがまとまった。クロースのマドリーでの活躍を見れば、高い費用対効果が得られたのは明らかである。
■若手の獲得を推進
マドリーは近年、世界中のヤング・タレントを注視している。
ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル代表/23歳/2018年夏加入)、ロドリゴ・ゴエス(ブラジル代表/22歳/2019年夏加入)、エドゥアルド・カマヴィンガ(フランス代表/20歳/2021年夏加入)、オウレリアン・チュアメニ(フランス代表/23歳/2022年夏加入)、ジュード・ベリンガム(イングランド代表/20歳/2023年夏加入)…。この数年、各国の代表級の若い選手が次々にマドリーに到着した。
特に中盤においては、世代交代が進んでいる。今季、中盤で起用されているのはチュアメニ、フェデリコ・バルベルデ、カマヴィンガ、ベリンガムである。クロースやルカ・モドリッチでさえ、ベンチに追いやられている状況だ。「今後10年、マドリーの中盤は安泰だ」と豪語する現地メデイアが出てきているほどである。
左サイドバックに関しては、この夏、フラン・ガルシア(24歳)が加入している。マドリーのカンテラ出身選手であるF・ガルシアを、クラブは移籍金500万ユーロ(約8億円)で再獲得した。
一方、フェルラン・メンディは28歳を迎えている。この数シーズン、度重なる負傷に苦しめられてきた。2022−23シーズンのプレータイムは2066分だった。これは全体のプレー可能タイムの37.2%の数字だった。
メンディは2019年夏に移籍金4800万ユーロ(約76億円)でリヨンからマドリーに移籍した。現行契約を2025年夏までとしているが、マドリーとの契約延長交渉は進んでいない。この夏には、サウジアラビア移籍の可能性が取り沙汰されていた。
22歳のデイビースを獲得するのは「若手推進プロジェクト」を掲げるマドリーの方針にも合致する。ゆえに、マドリーのデイビースに対する関心が強まっているというわけだ。
■ビッグクラブのブランド
「レアル・マドリーは偉大なクラブだ。私は常にこのチームのファンだった。自分が代理人を務めているアスリートに、彼らが関心を寄せてくれているのは、誇らしい。バイエルンを軽視しているわけじゃない。世界のトップ5のクラブを挙げるとしたら、バイエルンはその一つだ。だがマドリーのブランドは強い。ビッグネームだ。そして、彼らはチャンピオンズリーグで、14度優勝している...」
「バイエルンとの契約が、あと2年、残されている。今後数週間、また数ヶ月、様子を見たい。まだ決断は下していない」
デイビースの代理人を務めるネダル・ハウシュ氏は以前、このように語っていた。
マドリーとバイエルンの関係は良好だ。アリエン・ロッベン、ハミト・アルティントップ、アルバロ・オドリオソラ、ハメス・ロドリゲス、シャビ・アロンソと複数選手が両クラブ間での移籍を果たしてきた。
スペイン『マルカ』のアンケート(投票数:6万2355票)では、「デイビースがレアル・マドリーの良い補強になるか」という問い掛けが行われた。そのうち、92%が「イエス」と回答している。
2024年夏には、エンドリックが正式加入する。だがエンドリックだけではない。若き才能を発掘するマドリーの動きは、止まらない。