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初日の出は 年末低気圧通過後に今冬一番の寒気が南下

饒村曜気象予報士
イルミネーション(写真:アフロ)

周期的な天気変化

 今冬は冬型の気圧配置が長続きせず、周期的に低気圧や高気圧が通過しています。

 このため、例年の冬とは違い、日本海側では晴れの日が多くなり、太平洋側では曇りや雨の日が多くなっています。

 12月28日(土)~29日(日)も移動性高気圧に覆われ、全国的に晴れますが、日本列島に次の雨をもたらす低気圧が中国大陸に出現しています(図1)。

図1 予想天気図(12月29日9時の予想)
図1 予想天気図(12月29日9時の予想)

 この中国大陸に出現した低気圧は日本海で発達するため、29日(日)の午後から西日本で雨となる所があり、30日(月)には、ほぼ全国的に雨の予報となっています。

 日本海の低気圧に向かって暖気が流入しますので、全国的に初冬としては暖かくなり、北海道でも「雨または雪」という、雨の可能性が高い予報となっています(図2)。

 しかし、31日(火)にはオホーツク海で低気圧が発達し、北海道を中心に大荒れの天気となります。

 北海道では暴風警報が発表となる可能性は「高」であり、東北や新潟などでも「中」です(図2)。

図2 暴風警報が発表となる可能性(12月31日) 
図2 暴風警報が発表となる可能性(12月31日) 

 そして令和2年の1月1日にかけて西高東低の冬型の気圧配置となって寒気が南下し、しばらく続く見込みです。

 令和元年の年末までは、低気圧や高気圧が交互に通過する秋のような天気図でしたが、令和2年の年始は、典型的な冬の天気図となりそうです。

年末と年始の天気の違い

 年末年始に南下してくる寒気は、特に強いものではなく、平年並みの寒気です。

 ただ、暖かい初冬でしたので、非常に寒く感じます。

 札幌の12月は、平年より気温が高い期間と低い日い期間があり、寒暖差が大きかったのですが、年始以降は、ほぼ平年並みの気温が続く予報です(図3)。

図3 札幌の12月から1月の最高気温と最低気温(12月28日~1月3日は気象庁、1月4日以降はウェザーマップの予報)
図3 札幌の12月から1月の最高気温と最低気温(12月28日~1月3日は気象庁、1月4日以降はウェザーマップの予報)

 東京も札幌と同じ傾向です(図4)。

図4 東京の12月から1月の最高気温と最低気温(12月28日~1月3日は気象庁、1月4日以降はウェザーマップの予報)
図4 東京の12月から1月の最高気温と最低気温(12月28日~1月3日は気象庁、1月4日以降はウェザーマップの予報)

 年末まで荒っぽい天気が続いたイノシシ年も、平年並みの天気のネズミ年で始まりそうです。

初日の出

 大晦日の12月31日から冬型の気圧配置が強まることは、太平洋側の地方では、初日の出を見ることができる可能性が高くなります。

 元旦の天気分布をみると、太平洋側ではほとんどの地方で快晴です(図5)。

図5 令和2年( 2020年)元旦の天気分布予想
図5 令和2年( 2020年)元旦の天気分布予想

 ただ、今年(2019年)の正月は、全国的に曇りで、ほとんどの地方で初日の出を見ることができなかったのですが、新潟では雲の切れ間から初日の出が見えました。

 太平洋側の地方以外でも、初日の出の時刻に、太陽付近の雲が切れている可能性はゼロではありませんので、東の空に期待です(図6)。

図6 令和2年(2020年)初日の出の時刻
図6 令和2年(2020年)初日の出の時刻

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。

図3、図4の出典:気象庁資料、ウェザーマップ資料をもとに著者作成

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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