3度目の正直? パイレーツに入団する筒香の活躍が期待できる理由
8月14日(日本時間15日)にロサンゼルス・ドジャース傘下の3Aチーム、オクラホマシティ・ドジャースから契約を解除され自由契約になっていた筒香嘉智が、ピッツバーグ・パイレーツと契約することが明らかになった。
このニュースを最初に報じたのはサンケイスポーツの山田結軌記者。パイレーツは16日(日本時間17日)からロサンゼルスでドジャースとの3連戦を行うが、筒香は現地16日からパイレーツの選手としてドジャースと戦う予定だという。
一方で、ピッツバーグの地元紙「ピッツバーグ・ポストガゼット」は、パイレーツと筒香の契約はマイナー契約で、筒香はメジャーではなく、3Aのインディアナポリスでプレーしながら、メジャー昇格のチャンスを待つと報じている。
今季の筒香はタンパベイ・レイズの一員として開幕を迎えたが、成績の低迷が続いたために、5月11日に事実上の戦力外通告を受け、15日にトレードでドジャースへ移籍。復調が期待されたドジャースでも結果を残すことができずに、6月9日に右ふくらはぎの張りで負傷者リスト入りすると、そのままメジャー登録の40人枠から外された。
3Aのオクラホマシティでも加入当初は不振が続き、打率も1割台と苦しんだ時期が続いたが、過去22試合では打率.364、6本塁打、22打点、出塁率.477、長打率.712、OPS1.189と日本球界屈指のスラッガーと恐れられた本来の姿を取り戻していた。
選手層の厚いドジャースでは、いくらマイナーで活躍を続けていてもメジャー昇格は難しく、3Aで大暴れしたこのタイミングで自由契約にしてもらえたのは、筒香にとって幸運だった。
パイレーツは40人枠に余裕がないので、筒香と契約するには誰かを40人枠から外すか、60日間の負傷者リストに移す必要がある。
昨年のワールドシリーズで激突したレイズとドジャースは、今季もプレイオフ出場を争っているが、パイレーツは今季ここまで42勝76敗と大きく負け越している。427得点、92本塁打はどちらもメジャー最低で、筒香のように長打力のある選手を必要としている。
一塁手のコリン・モーランは2013年のドラフト1巡目全体6位指名を受けた逸材だが、メジャーでは才能をフルに開花できずに、今季は打率.281、6本塁打、28打点と一塁手としては物足りない。7月には左手首にひびが入り、負傷者リスト入りして、マイナーリーグでの調整を終え、今月頭にパイレーツに復帰した。
三塁にはチームの将来の主砲候補と期待される二世メジャーリーガーのケブライアン・ヘイズがいる。
左翼手のベン・ギャメルが8月5日付けで10日間の負傷者リスト入りしたが、15日に戦列復帰を果たした。
右翼手のグレッゴリー・ポランコは打率.203と低迷しているので、筒香は一塁と外野で起用されることになりそうだ。
今季はレイズ、ドジャースと渡り歩いてきた筒香は、3球団目となるパイレーツでは活躍できそうだ。
活躍が期待できる1つ目の理由は、マイナーで調子を取り戻したこと。過去1ヶ月間のOPS1.189は、日本球界で44本塁打を放った2016年の1.110を上回っており、現在の筒香は打撃が絶好調な状態にある。
2つ目はプレッシャーの少なさ。レイズとドジャースはプレイオフ出場を激しく争っているが、地区最下位に沈んでいるパイレーツでは気負うことなくプレーできるはずだ。生真面目な筒香にとって、パイレーツ入りは吉となりそうだ。
パイレーツには過去には、日本人投手は桑田真澄(2007年)と高橋尚成(2012年)、野手では岩村明憲(2010年)が所属。筒香は岩村と同じくレイズでワールドシリーズ出場を経験した後に、パイレーツ入りすることになる。