雪国なのにトロピカル?弘前市の「バナナ最中」は食べ比べ必須!かさい製菓さんのバナナ餡たっぷり最中
青森県弘前市。深緑色のお堀に囲まれた弘前公園は、2023年6月現在修復中ではございますが、東北に唯一現存する天守閣ということでも有名です。
また、澄み渡る空にそびえる白壁と、雲のように柔らかく且つ壮大なソメイヨシノをはじめとする桜が得も言われる景観として、全国のみならず世界中から観光客が訪れる名所です。
さて、そうなるとその土地の銘菓とは?となるのですが、容易に想像つきますのがやはり桜味のお菓子。さらに、弘前市というくくりにとどまらず、青森県はりんごの名産地としても名高く、和洋菓子問わず春は桜、一年を通してりんごを使用した銘菓やお土産を購入することができます。
ですが、じつはもうひとつ。弘前市には欠かせない銘菓があるのです。その名も「バナナ最中」。
バナナの形の最中種に、香料を加えたバナナ風味の白餡を挟んだ最中。その歴史は昭和初期ともいわれ、弘前市のある和菓子屋さんのご主人が上京してバナナを食べたことから、その甘美な美味しさに感動し、どうにかしてお菓子にできないかと画策し生み出したものがはじまり。そのお店が現在も元祖となり、そこで修行なさった職人さんや市内の和菓子屋さんに伝わり、今や名物となっています。
今回はそのなかのひとつ、「かさい製菓」さんの「バナナ最中」をご紹介。
明治神宮へ献上されたこともあるという格式と歴史のあるバナナ最中。パッケージが黄色なのも、なんとなくバナナを連想させてくれますね。
細長くやや弧を描いた形の最中の中には、たっぷりとバナナ風味の白餡が。かさい製菓さんのバナナ餡は、やや黄色味を帯びた丁度食べごろのバナナのような色。ほろほろっと崩れるほどしっかりと水分を飛ばし保存性を高めた餡は非常に濃厚。かといって口の中でもたつくことはなく、南国的な香りを残しながらしゅわしゅわっと溶けていきます。
ねっとりとしておらず、かといってぼそぼそしているわけでもなく、溶けていくという表現がぴったりかと思います。バナナの香りも濃厚なので、あんこが苦手な方でも非常に食べやすい最中になっているかと。
昭和といいますと、バナナはまだまだ高級品。高根の花だった時代です。その頃にこのような和菓子が店頭に並んでいたら、思わず手に取ってしまうのではないでしょうか。
胡麻やきなこといった香りや味わいをうつした和菓子は数あれど、バナナの香りを和菓子とあわせようなどとは…
先人たちの知恵と機転、そして美味しいものへの熱意が生み出したといっても過言ではないバナナ最中。
ぜひ色んなお店の商品を食べ比べしてみてくださいね。