ネリ計量クリアも500gアンダーは落としすぎ?井上尚弥との対戦に影響はあるのか
6日東京ドームでボクシングスーパーバンタム級4団体統一戦が行われ、同級王者の井上尚弥(31=大橋)と、WBC世界同級1位のルイス・ネリ(29=メキシコ)が対戦する。
異例の体制
懸念されていた前日計量は、両者ともに危なげなくクリアした。
今回の計量では、超過を繰り返してきたネリに対し、WBCが特別ルールを策定するという異例の体制がとられている。
試合の30日前にリミットの10%(60.8kg以下)、14日前に5%(58.1kg)、
7日前に3%(56.9kg)を規定体重と定め、井上も同様の条件で計量をクリアしている。
ネリが体重を少しでもオーバーすれば、アンダーカードに出場するTJ・ドヘニーが代理で出場する計画もあった。
しかし、キャリア最大のビッグマッチであり、多額のファイトマネーも手に入るこの試合に向け、ネリ陣営もかなり慎重に減量に取り組んできたようだ。
まさかの500gアンダー
ひとつ気になったのは、ネリが前日計量時、リミットより500g軽い54.8kgでクリアしたことだ。
通常ボクサーは、ギリギリの数字を狙って計量に臨む。体重がアンダーしていれば、少しでも早く食事をとり体を回復させるのがセオリーだ。
500gであれば、計量直前であっても普通の食事を取れていたはずだ。
無理な減量を強いられていた反動か、コーラやケーキなどを暴飲暴食していたとの話も聞く。
減量後直後のリカバリーで、胃腸に負担が掛かるものを食べると翌日のパフォーマンスに影響するが、食への衝動をおさえられなかったのだろう。
体重超過したり減らし過ぎたり、計量後のリカバリーなど、減量が得意でないことが証明されてしまった。
井上は前回のタパレス戦では、1日で6kg戻し、当日は61kgほどで試合を迎えていた。
おそらく今回もそのくらいになるのではないだろうか。
一方ネリは、普段と違う体重の落とし方をしているため、どこまで戻してくるかは未知数だ。
近距離での連打を武器としているが、リカバリーに失敗すると、その強さも半減する。
計量後、どこまでコンディションを戻せたかが、勝敗を左右するだろう。
ネリとの対戦
ネリは井上にとって最恐の相手と呼ばれている。
過去に対戦してきたドネア、フルトンに匹敵するほどの実力者であり、これまでの悪行などを踏まえ“最恐”と言われているようだ。
ネリのスタイルは超攻撃型サウスポーだが、井上はサウスポー相手に圧勝してきている。
両者KO宣言もしているため、ぜひ近距離での攻防に注目してほしい。
歴史的な試合、果たしてどのようなドラマが待ち受けているのだろうか。