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ダブル熱帯低気圧のうち1つが台風5号へ、関東以北の太平洋側は北上に要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

関東から北海道の東海上を北上か

熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)
熱帯低気圧の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風や熱帯低気圧の情報(気象庁発表)

日本の南に発生しているダブル熱帯低気圧のうち、小笠原付近にある熱帯低気圧が今夜7日(水)午後9時までに、台風へ発達する見込みとの情報が気象庁から発表されています。予想通りに発生すれば台風5号となります。平年だと今の時期は10個近くの台風が発生していますので、台風5号の発生時期としては遅い方で、筆者が調べた限り、1951年の統計開始以来、74年間で7番目に遅い台風5号の発生となります。(速報値)

発生が予想される台風5号はやや発達しながら北上し、あさって9日(金)から11日(日)頃にかけて、関東から東北、北海道にかけての太平洋側をやや離れて北上する見込みです。予報円の真ん中を進むと直接の影響は小さいと考えられますが、台風周辺の湿った空気が流れ込むため、東日本や北日本では、より一層不安定な天気となる可能性があります。

また種々の計算のなかには、台風の東側で太平洋高気圧が強まり、台風を西寄りに北上させ、東北や北海道にかなり近づく、あるいは上陸させるような計算もありますので、最新情報に要注意です。また関東以北の太平洋側では、高い波やうねりに十分ご注意ください。

気になるもう1つの熱帯低気圧の動向

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

上図は天気図の変化で、ダブル熱帯低気圧のうち、小笠原付近にある熱帯低気圧2が台風5号となり、あす8日(木)午後9時には北緯30度付近に北上する予想です。一方、沖縄付近にある熱帯低気圧1は沖縄付近にほとんど停滞しますが、その後はゆっくりと日本の南へ東進する計算が多くなっています。

お盆休みは熱帯擾乱が本州付近へ?

アンサンブル予報の一部抜粋(ウェザーマップ)
アンサンブル予報の一部抜粋(ウェザーマップ)

沖縄付近にある熱帯低気圧は、週末にかけて、日本の南へゆっくりと東進する計算が多く、この熱帯低気圧を含むなんらかの熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が来週にかけて、本州付近に北上する計算が多数を占めています。

ただ熱帯擾乱のコースや強さなどに関しては、まだかなり不確実性が大きく、様々な計算結果が存在します。参考までに上図は、来週14日(水)午前9時のアンサンブル予報の一部を抜粋したもので、熱帯擾乱の中心は日本の南に散らばっていますが、いずれも日本付近にはその周辺の強い暖湿流が流れ込み、雨雲が発達する予想となっています。

お盆休みは熱帯擾乱や暖湿流の予想に十分注意

10日間予報(ウェザーマップ)
10日間予報(ウェザーマップ)

今後、発生が予想される台風5号の北上に伴い、釧路や仙台は、週末にかけて雨が降りやすく、台風の進路によっては、荒天となるおそれもあります。東京は湿った空気や上空の寒気の影響で、9日(金)頃までは雷雨になりやすく、やはり台風の動向に、念のため、注意が必要です。

そして、来週は南から何かしらの熱帯擾乱が北上してくる計算が多くなっているため、15日(木)頃から傘マークが増える予報となっています。熱帯擾乱の影響次第では、雨や風が強まることも考えられますので、今後の予想にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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