バヌアツ、ワクチン輸送ドローンの試験運用:83の島々の子どもたちにワクチンを提供
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2018年12月、バヌアツの保健大臣のノリス・ ジャック・カルメにより、遠隔地の島々に住む子どもたちにワクチンを届ける、ドローンによる輸送試験が公式に開始された。
バヌアツは、83の島々が1,600キロメートルにわたって広がる太平洋の群島国。飛行場や敷設された道路があるのは有人島の3分の1に限られ、そのことが、遠隔地域へのアクセスや支援を物理的に困難なものにしている。
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ワクチンの供給を受けていない遠隔地の島々に住む子どもへドローンで
バヌアツ政府は、現在安定したワクチンの供給を受けていない遠隔地の島々に住む子ども(全体の約2割)に対し、ラストマイル(ワクチンを届ける最後の区間)の輸送を達成することを目標として、世界で初めて、ドローン企業2社と契約。
首都のポートビラから約1時間の距離にある旧タカラ(Takara)滑走路にて行われ、地域の住民や保健員、子どもたちなど100人以上が集まり、ドローンが初めて空に舞い上がる瞬間を見つめた。この輸送試験の第一フェーズは12月5日から7日に実施。エフェテ島北部の旧タカラ滑走路から、エマオ 、ペレ、ヌグナの上空を飛行し、約50キロメートル離れたシビリのサッカー場を狙って実際のワクチンに近いパッケージを投下する。
バヌアツの保健省および民間航空局は、2019年1月にも、エピ、シェパード諸島、エロマンガ島、ペンテコスト島の保健施設へのワクチンのドローン輸送の承認を、試験結果に基づき検討する。さらに、バヌアツ政府は国内のあらゆる分野においてドローンを活用できる可能性を検討していく。
「遠隔地の島々に暮らす子どもたちのために革新的な手段が必要」
シャーロット・サルワイ・タビマスマス・バヌアツ共和国首相は「バヌアツの開発計画には、安定し、持続可能で豊かな国の未来像を形成する上で、遠隔地の島々に暮らす子どもたちにサービスを届けるための革新的な手段が必要とされています。ビジネス上のパートナーシップを通じて、子どもたちの命を救うワクチンを届けるための輸送試験を開始できるこの日は、バヌアツにとって大変喜ばしい日となりました」と語った。
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ユニセフ太平洋事務所代表シェルドン・ヤッテ氏は「このような遠隔地では、ワクチンやその他の必要不可欠な医薬品を子どもたちに安全に届ける上で特有の課題があります。バヌアツ政府に協力し、必要とされる時や場所においてワクチンを安全に届ける新しい方法をともに探求したいと考えています」とコメント。
本プロジェクトに協力しているオーストラリア外務貿易省のチーフ・イノベーション・オフィサーのサラ・ピアソン氏は「オーストラリア外務貿易省 (DFAT)のinnovationXchangeはバヌアツ政府およびユニセフと協力し、バヌアツにおける重要な保健課題を解決するための革新的な技術の運用を試験したいと考えています。特にバヌアツのような課題のある地域において、ドローンによってどのように費用対効果の高い方法で病気を防ぐことができるかを今回の輸送試験から理解したいと考えています」とコメント。