オートバイのあれこれ『空冷Z系唯一のレーサーレプリカ・Z1000R』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今宵は『空冷Z系唯一のレーサーレプリカ・Z1000R』をテーマにお話ししようと思います。
数ある絶版バイク・旧車バイクの中でも、特に高い人気を誇るカワサキ『Z』シリーズ。
1972年登場のZ1に始まり、83年のGPz1100に至るまで様々な空冷Zが登場してきたわけですが、そのシリーズにおいて唯一レーシングマシンを模して作られたZがありました。
『Z1000R』(北米仕様は『KZ1000R』)。
Z1000Rは、アメリカ人レーサーのエディ・ローソンがレース仕様の『Z1000J』でAMAスーパーバイク選手権(ロードレース全米選手権)のチャンピオンを獲得したことを記念して生産されたオートバイになります。
エディ・ローソンが乗っていたマシンをモチーフに作られたことから、今も「ローソンレプリカ」なんて呼ばれていますね。
Z1000Rの車両詳細をざっくり要約すると、「Z1000Jの特別仕様車」と言えるでしょう。
つまりZ1000Jをベースに、レーシングマシン風のアレンジが行われているということ。
ビキニカウルが付いていたり、ボディが鮮やかなライムグリーンに塗られていたりと、外観的にはZ1000Jと大きく異なるイメージですが、実際のところエンジンやフレームといった基本の部分はZ1000Jからほとんど変わっていません。
Z1000Rならではの特徴としては、カーカー製の集合管マフラー、リザーバータンク付きのリヤショックユニット、段付きのシートなどが挙げられますね。
エディ・ローソンは1981年に続き82年もZ1000Jと共にAMAの王者となり、カワサキはそれに応じて2作目のZ1000R(Z1000R2)も製作しますが、このR2が市販された83年はローソンが既にヤマハへ移籍していたことから、R2に関しては「ローソンレプリカ」ではなく、「スーパーバイクレプリカ」と呼ばれました。