新球団は「SSGランダーズ」 SKワイバーンズは21年の歴史に幕を下ろす
韓国の流通大手・シンセゲ(新世界)グループは5日、1月に買収を発表したプロ野球チーム・SKワイバーンズに代わる新名称を発表した。
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球団名は「SSGランダーズ」。
シンセゲグループのイニシャルである「SSG」と「上陸」を意味する「ランダーズ(LANDERS)」を合わせた名称だ。本拠地のインチョン(仁川)広域市はインチョン国際空港があり港町でもある。韓国の玄関口であり、インチョンは韓国に野球が最初に伝来(上陸)した地でもあることを命名の理由とした。
シンセゲグループは球団名発表に先立ち、5日午前の書面形式によるオーナー会議で、SKからのリーグ会員資格譲渡が満場一致で承認された。リーグ加入金は60億ウォン(約5億7000万円)で新規参入ではない球団譲渡で加入金を収めるケースは、2001年途中にヘテ球団を買収したKIA以来2度目のケースとなる。当時のKIAの加入金は30億ウォンだった。
SSGが本拠地として使用するインチョンムナク(文鶴)球場は、これまでSK球団が同球場と総合競技場などの複合施設一帯を指定管理者として運営。野球場の名称は「インチョンSK幸福ドリーム球場」としていた。
球団の歴史に幕を下ろしたSKワイバーンズは、韓国の大手通信事業者・SKテレコムを親会社とし、1999年限りで消滅したサンバンウルレイダースに代わって、2000年に新規参入。21年間で韓国シリーズを4度制し、先進的な取り組みでファン拡大や地域貢献し、2000年代の韓国球界に新風を吹き込んだ。
リーグを脱退するSKは5日のオーナー総会で、球界発展のために25億ウォン(約2億3750万円)の寄付を予定していることを明らかにしている。
KBOリーグは4月3日のシーズン開幕を前に、3月20日からオープン戦(示範競技)を実施するが、SSGはそれまでに新ユニフォームを間に合わせるのは難しいとしている。そのためSKが昨年まで日曜日のホームゲームで採用していた、胸に地域名の「INCHEON」の文字が入った、オールドスタイルのシンプルなユニフォームに、新世界グループのパッチを施したものとなる予定だ。
⇒ SK ワイバーンズ紹介(ストライク・ゾーン)