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富士山・スラッシュ雪崩の危険性

森田正光気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長
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昨日(16日)、BS朝日の番組ロケで富士山に行ってきました。

今年の富士山は例年になく雪が多いようで、五合目の駐車場にある土産物店の方によると、この時期にこんなに雪があるのは、この十数年では見たことがないと言うことでした。(写真上)

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また河口湖の公園には「雪捨て場」(写真左)が設けられていましたが、この雪捨て場が作られたことも、異例の事だそうです。写真では雪の上に黒い土が撒かれ、富士山の手前にある岩のように見えますが、これは陽の光を利用して早く解かすための工夫です。

今回の雪は、今年二月の大雪で積もったものですが、問題は山頂でどれほど積もっているのか分からないという事です。以前なら富士山測候所で山頂の積雪を測っていましたが、2004年に測候所が廃止されてからは、そのデータはありません。

ちなみに2004年の3月は2メートルを超えていましたが、今年はおそらくそれ以上の積雪になっているのではと想像できます。

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山頂で積雪が多いと、実は富士山の場合は厄介なことに「スラッシュ雪崩」という現象が起こる事です。スラッシュと言うのは”半溶け”という意味で、これからの季節、雪解けが進むと雪解け水や土砂と一緒に、大規模な雪崩が起こりやすくなるのです。

土産物店の方によると、一昨年もスラッシュ雪崩が起きて、道路が寸断されたそうです。

こうした雪崩の予想には積雪の実況値が不可欠ですが、それがほとんど分かっていないというのは、世界遺産としての富士山を守る上でも問題ではないかと思った次第です。

測候所の復活は無理としても、せめて何らかの方法で積雪を知る方法は無いのでしょうか。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長

1950年名古屋市生まれ。日本気象協会に入り、東海本部、東京本部勤務を経て41歳で独立、フリーのお天気キャスターとなる。1992年、民間気象会社ウェザーマップを設立。テレビやラジオでの気象解説のほか講演活動、執筆などを行っている。天気と社会現象の関わりについて、見聞きしたこと、思うことを述べていきたい。2017年8月『天気のしくみ ―雲のでき方からオーロラの正体まで― 』(共立出版)という本を出版しました。

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