花粉飛散が多いゴールデンウィークのような暖かさの一週間
移動性高気圧の通過
今週は大きな移動性高気圧が通過し、東日本から西日本は晴れて気温が上がります(図1)。
移動性高気圧がきたら晴れとは単純ではありません。移動性高気圧がどのようなコースを進むかによっても日本の天気は変わります。
移動性高気圧が、北緯35度線を西から東に進む場合は全国的に晴天となりますが、北緯35度線より南を東進する場合の晴天は、関東から西の地方だけです。
今週の移動性高気圧は、北緯35度線より若干南ということで、東日本から西の地方で晴天と考えられます(図2)。ちなみに、北緯35度線より北を東進する場合は北日本だけが晴天ですが、日本海北部から関東地方に進む場合は、全国的に晴天ですが気温は上がらず肌寒い日となります。
朝晩の寒暖差が大きい一週間
西高東低の冬型の気圧配置の日が多く、北から寒気が南下して寒かった2月に比べ、3月は、気温が平年より高い日が多くなっています。週間天気予報によると、今週はゴールデンウィーク頃の気温となっています(図3)。
最高気温の予報の上限をみると24度と夏日(最高気温が25度以上の日)間近ですが、最低気温の下限をみると5度以下と、一日の最高気温と最低気温の差は20度近くになります。
暖かくなるといっても、朝晩は冷え込みますので、体調管理に注意が必要な一週間です。
暖かくなると花粉と黄砂
晴れて気温が上がると杉花粉の飛散量が多くなりますので、東日本から西日本は花粉症対策が必要な一週間です。
移動性高気圧に覆われた春は、黄砂やPM2.5が問題になります。中国大陸で上空に風で舞い上げられた黄砂やPM2.5(大きさが2.5マイクロメートル以下の微小な物質)が、上空の強い西風に乗って日本付近に運ばれ、移動性高気圧の下降流によって地表面付近におりてくるからです。
今年の中国では、寒い冬だったせいか中国大陸内陸部での黄砂の吹上が遅れており、今回の移動性高気圧では黄砂は飛来しない見込みですが、中国の都市部のPM2.5については多いままですので、九州などへの飛来が心配です。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図2の出典:饒村曜(2014)、天気と気象100、オーム社。
図3の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。