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再契約のカーショウと延長契約のアルトゥーベはともに生え抜き。彼らより長く球団一筋の現役選手は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウト(左)とホゼ・アルトゥーベ Jun 1, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、クレイトン・カーショウは、ロサンゼルス・ドジャースからFAになったが、過去2度のオフと同じように、ドジャースへ戻った。また、FAまであと1年だったホゼ・アルトゥーベは、ヒューストン・アストロズと延長契約を交わした。

 カーショウもアルトゥーベも、プロ入り以来、他の球団に在籍したことはない。カーショウは、2006年のドラフトでドジャースから全体7位指名を受けた。その翌年、ベネズエランのアルトゥーベは、アストロズに入団した。

 メジャーデビューしたのは、カーショウが2008年、アルトゥーベは2011年だ。カーショウよりも前にデビューし、一度も移籍せずにプレーしてきた現役選手は、皆無……になると思われる。カーショウと違い、ジョーイ・ボトーがシンシナティ・レッズに戻ることはないだろう。ボトーは、2002年のドラフトで2巡目・全体44位にレッズから指名され、2007年にデビュー。以来、レッズ一筋に17シーズンを過ごしてきた。現在の年齢は40歳だ。

 ボトーに代わり、アルトゥーベのキャリアも、移籍なしの現役野手では最長となる。2024年は、デビューから数えて14シーズン目だ。

 ただ、アルトゥーベの場合、野手の単独最長ではない。チャーリー・ブラックモン(コロラド・ロッキーズ)とマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)に、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)も、アルトゥーベと同じく、2011年にデビューした。ペレスの場合、トミー・ジョン手術を受け、2019年は全休しているので、メジャーリーグでプレーした年数は、1年短い。

 この3人も、プロ入りからずっと1球団に在籍している。ブラックモンは2008年のドラフト2巡目・全体72位、トラウトは2009年の全体25位。こちらもベネズエランのペレスは、2006年にロイヤルズに入団した。

 2024年のシーズン年齢(6月30日時点)と現在の契約は、37歳のブラックモンが1年1300万ドル(2024年)、32歳のトラウトが12年4億2650万ドル(2019~30年)、34歳のペレスは4年8200万ドル(2022~25年)だ。

 アルトゥーベのシーズン年齢は、ペレスと同じ。今回の契約は、ESPNのジェフ・パッサンらが5年1億2500万ドル(2025~29年)と報じている。カーショウは36歳。こちらは、ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマンらによると、1年契約に2025年の選手オプションがついているという。17シーズン目のマウンドに上がるのは、夏以降となる。

 なお、アルトゥーベのワールドシリーズ優勝は2度、ペレスとカーショウは1度ずつ、ブラックモンとトラウトはゼロだ。5人とも、タイトルを獲得したことがあることは共通する。ブラックモンは、2017年にナ・リーグ1位の打率.331を記録した。この年、打率.346のアルトゥーベは3度目の首位打者を獲得したが、ブラックモンの213安打は、アルトゥーベより9本多かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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