血圧っていったい何?【知っているようで知らない血圧について理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
健康診断で指摘される内容で気になるもののひとつに「血圧」があると思います。
高すぎても低すぎてもよくないと言われ、どうやって管理すればいいかわからないという声もよく聞かれます。
本記事では、そもそも血圧とはなんなのかについて解説していきます。
血圧とは
わたしたちの血管の中には血液が流れていて、心臓がドキドキと拍動することで血液が動いています。
血圧は、心臓が拍動するときに送り出す血液によって血管の内側にかかる圧力のことを指します。
血圧を左右する要因
血圧の上昇・下降を左右する要因は大きく5つに分けられます。
- 心拍出量
- 末梢血管抵抗
- 循環血液量
- 血液の粘着度
- 大動脈の弾力
心拍出量
血管の中がどうなっているかイメージが湧かない方のほうが多いと思うので、水道のホースに置き換えて考えてみましょう。
いっぺんにたくさんの水を流そうとすると、ホースがパンと張りますよね。ホースの内側に高い水圧がかかっている状態となっています。
血管に置き換えて考えてみると、心臓がドキンと拍動するときに流れてくる血液の量(心拍出量)が多ければ多いほど血圧が高くなりやすく、少ないと血圧に与える影響も少ないと言えます。
末梢血管抵抗
水が流れているホースを握り込んでいるなどの状況で、一定の部分の流れが悪くなっている状態があったとします。
流している水の量が少なくても、流れが悪くなっている箇所には高い水圧がかかっている状態となります。
血管に置き換えて考えてみると、動脈硬化などが原因で血管の内側が通りづらくなっている状況(末梢血管抵抗)があるときに血圧が高くなりやすく、血管内を血液がスムーズに通ることができる状況のときには血圧に与える影響は少ないと言えます。
循環血液量
身体の中を巡っている血液の量が多くなると血圧が上がりやすく、少ないと血圧が下がります。
血液の粘着度
血液の性状として「サラサラ」や「ドロドロ」といった表現を聞いたことはないでしょうか?
血液は液体成分と固形成分に分けられ、固形成分の割合が多くなるとドロドロになってしまい、血管の中をスムーズに流れることができなくなってしまいます。流れが悪い血液を流すためには心臓の拍動を強くする必要があるため、血圧が上がりやすくなります。
大動脈の弾力
血管はもともと柔らかい性質ですが、加齢に伴い血管の弾力が失われたり、動脈硬化などが原因で血管の内側が狭くなってしまったりすると血液が流れづらくなってしまい、血圧が上がりやすくなります。
まとめ
血圧について耳にすることはあっても、何の指標なのかよくわからなかったという方もいらっしゃるかと思います。
血管内の環境や血液の性質によって、血液の流れ方に変化があり、血圧という指標で確認できるのですね。
血圧の管理は、血管に関連する病気の発症を抑制する効果があります。
血圧について正しく理解して、健康寿命を延ばしましょう。