『ずっと雨でも勝てばいいのだ』浦和vs札幌【浦和レッズ川柳試合レビュー】
■シン埼スタ、芝よりもびっくりした事
またしても雨か。
まったくもう、わざわざピンポイントで最悪のコンディションの日を選んでるんじゃないかと思えるような最近のレッズ戦だ。ただ、天候の悪さに反比例してチーム状態が上向きになっているのは救いっちゃ救いなんだが。
さて、どうやって埼スタまで行くか。家に近いバス停から浦和美園まで行くバスに乗るのが順当な選択なのだが、こういう日は道は混んでるし、途中、レッズサポの人たちがたくさん乗ってくるために時間はどんどん遅れる上に、へたすると込み過ぎて乗り切れない。
スマホで調べたら、なんとすでに定刻30分遅れ。これは遠回りでも電車で行くのが賢明と、まず東浦和駅に出て、そこから東川口乗り換えで浦和美園につく。あとでまたスマホをチェックしたら、本来乗るはずだったバスは定刻45分遅れになっていた。以前、沖縄の各地を回った際、定刻40分遅れでバスがきた時には「さすがに南国。こっちの人はのんびりしてるな」と呆れた思い出があるが、なんと浦和は沖縄を超えた。
バス待ちは 沖縄超えの すさまじさ
そぼ降る雨の中、美園から埼スタまでの行程を歩く。小さい子供連れのファミリー層が目につく。「新生埼スタ」でもあることだし、子供たちにはいい天気で見せてあげたかったな。
スタジアムに到着したのは試合開始30分くらい前。まず新しくなったと報道されていたトイレに行く。
白い。白くて輝いてる。ちょっと豪華ホテルのトイレみたい。ここ何回か、駒場の、数も少なく、まだ和式トイレも残っているようなところに出入りしていただけに、これはいささか感動的。
一方で、芝を張り替えたっていうのは、ちょっと見、よくわからない。
芝よりも トイレがエグい リニューアル
■色々な世代のサポーターが集まる
スタメン発表で、やはり一番沸いたのがコンサドーレのペトロヴィッチ監督のコール。気持ちよく、思い切りレッズサポがブーイングしてた。応援以上に、このブーイングをやれるってところが、まさに声出し解禁のありがたい点だ。コンササポの興梠ブーイングがどれほどのものかを聞いていたが、そんなには大きくなかった。かえって、駒井のコールの際のレッズ・サポ・ブーイングが目立ったくらい。練習の時だけでも小野伸二には出てほしかったが、これは欲のかきすぎというもの。
ブーイング ペトロヴィッチで 盛り上がり
観客席は、老若男女がバランスよく集まった感じ。私は南側自由席の上のほうにあがって、階段通路ぞいのところに座る。これ、惜しかったね。あの天気で4万近いのなら、もし晴天なら4万5千くらいは来てたかもしれない。
しかし、雨足は衰えない。ついカバンの口をちょっとあけていたら、買ったMDPがビショビショになって、財布に入れてた千円札も濡れて、後で乾かした。
そこで試合開始となるのだが、私は、用事があって、前半戦だけ見て埼スタから退出する。
先日、「浅草芸人」ビックボーイズ・なべかずおの『たまらんぜ! 芸人人生七転びや転び』なる本を山中企画から出したのだが、ちょうど夕方から、浅草東洋館で、その出版を記念するライブが開かれたのだ。こりゃ、行かないわけにはいかない。
だから、押してるのになかなか点が入らない前半だけは埼スタで見て、後半はDAZNだった。とりあえずショルツの活躍もあって、2-1で気持ちよく勝てたな、と安堵してたら、さらにオウンゴールも含め、2点入ったのは、ちょっと驚く。
雨が降ってる方が、レッズは調子が出るのかもしれない。わかんないけど。
服も濡れ カバンが濡れても 勝てばいい
山中伊知郎
1954年生まれ。1992年に浦和に引っ越して来て、93年のJリーグ開幕時にレッズのシーズンチケットを取得。以後31年間、ずっとシーズンチケットを持ち続け、駒場、ならびに埼スタに通う。2021年より、レッズ戦を観戦した後、「川柳」を詠むという「レッズ川柳」を始める。現在、去年一年の記事をまとめた単行本『浦和レッズ川柳2022』(飯塚書店)が好評発売中。代表を務める「ビンボーひとり出版社」山中企画では、昨年9月、お笑い系プロダクション「浅井企画」の元専務・川岸咨鴻氏の半生を追った『川岸咨鴻伝 コサキンを「3億年許さん」と叱責した男』をリリース。11月上旬には『タブレット純のローヤルレコード聖地純礼』も発売。今年4月には、漫才協会在籍30年の浅草芸人・ビックボーイズ・なべかずおが半生を振り返る『たまらんぜ! 芸人人生七転び八転び』を出す。