「メモ帳ひとつ」で怒りとイライラの感情をコントロールする技術
■ イライラしている人が増えている
怒りやイライラを解消する方法について、多くの方が関心を持っている。
当然だろう。新型コロナウイルスの影響で、政府の対応に強い苛立ちを覚える人、マスクやトイレットペーパーを買い占めたり、転売する行為に激しく憤っている人たちが、たくさんいる。
私は以前と変わらず毎日ラッシュ時に会社へ通勤しているが、最近は50~60%ぐらいの乗車率だ。人と人との間隔――パーソナルスペース――に余裕があり、心にも余裕をもたらせてくれそうだ。なのに、にもかかわらず、なぜか電車内はピリピリムードなのである。
以前も、
「いい加減にしろォ、こらァ!」
と叫んでいる男を見た。乗降する際に「咳をした」とか「してない」とかで、他の男と小競り合いがはじまった。
「降りろ! いっぺん、降りて話しつけたろォじゃねえか!」
どちらも年齢は30代半ばのサラリーマン風。どこにでもいそうな、内向的なタイプにも見える地味な男たちが、声を張り上げて怒鳴り合っていた。
■「なぜ?」と聞いても頭にくるだけ
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。絶対達成がテーマであるから、いろいろなことが一筋縄ではいかない。クライアント企業の社員たちに現状を否定することも多いので、彼ら彼女らを怒らせることも多い。コンサルタントである私自身もそうだ。思い通りにいかないときなど、イライラすることがよくある。
そんな、怒りやイライラの感情がわき上がったとき、原因がどうであれ、多くの人は無意識のうちに、こう呟くことだろう。
「ああ、もうっ。どうして、なんだ!」
と。
満員電車の中で押されたら、
「どうして押すのよ!」
待ち合わせのときに友人が遅れてきたら、
「どうしていつも遅れてくるんだ!」
買ったばかりのスマホが不良品だったら、
「どうして買ったばかりなのに、もう壊れるんだ!」
怒りやイライラの感情に襲われたとき、このように、ついつい「なぜ!」「なんで!」「どうして!」と叫びたくなるものである。イライラの感情がわき起こった原因を特定し、その問題を解決したくなるからだ。
しかし、冷静に考えてみよう。
原因を特定して問題は解決するのだろうか? 実のところ、怒りやイライラの原因を特定しても、解決できるケースと、解決できないケースがある。それを判別するために、私は「マトリックス図」を使う。
感覚的に捉えそうになるところを、論理的に思考チェンジして対処するのだ。
さらに今回は、メモ帳に「アンガーログ」という記録をつけることで、その場ですぐに冷静になれ、かつ、自分がどんなことにいつも腹を立てているのかがわかり、イライラしがちな思考プログラムを修正できる、そんな方法を38分の動画(ノーカット&ノー編集)で解説した。
これは東日本大震災のあと、全国各地で実施したセミナー『メモ帳ひとつで怒りやイライラの感情をコントロール技術』の内容を収録した。
ぜひ最後まで確認してもらいたい。
■「マトリックス図」を活用しよう
頭にきたこと、苛立ちを覚えたこと。それぞれの事例を、4象限に分けて見てよう。すると、意外なことがわかってくる。
1)重要度が高い(↑)/解決は可能(〇)
たとえば、「取引先から社長にクレームの電話がかかった」というケースで考える。もしも重要な取引先であれば、大きな問題だ。担当者は頭が真っ白になるかもしれない。
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