JAXAが開発した宇宙ロボット「Int-ball」ガンダムのハロ似の見た目と最先端の性能を紹介
Int-Ball(イントボール)は、2017年に国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」に運ばれた、「自律移動型船内カメラ」です。「きぼう船内ドローン」としてISSで稼動を開始してからは宇宙飛行士の仕事のひとつである撮影作業を任されていました。本記事では、その愛くるしい顔のInt-ballをご紹介します。
■球体に秘められた意味とは?
Int-ballは直径約150mm、重さ約1kgの球形状のロボットです。デザイン案は複数ありましたが、宇宙飛行士が一緒に活動するときに、カメラがどこを向いて撮影しているのかをわかりやすくするため、最終的には球形となりました。みなさんはint-ballを見たときに最初に思い浮かんだキャラクターは何ですか?私はもちろん機動戦士ガンダムに出てくる「ハロ」ですね。
また、丸いことでISS内で実験機器にぶつかったとしても、それを壊さないようにするという目的もあります。そして、宇宙飛行士が間違えぶつけても痛くないようにする意味もあります。宇宙のように上下左右どこからでも衝突する可能性のる環境では、球体が最も衝撃に強い形状なのです。
通常の衛星はエンジンなどが機体から出ていますが、Int-ballのファンは埋め込み式とすることで、実験機器や宇宙飛行士へのダメージを軽減しています。地上を飛ぶドローンは重力に逆らうためにローターが下を向いていますが、宇宙で活躍するドローンは球形が基本となるのかもしれませんね。
■2017年にISSへ到着し仕事を開始!
Int-ball は2017年に打ち上げられISSへ到着したあと、NASAのペギー・ウィットソン宇宙飛行士とジャック・フィッシャー宇宙飛行士によって宇宙ステーションでの初期検証が行われました。
宇宙飛行士にとって、実験を行いながらその工程を撮影する作業が全体の1割程度発生しています。Int-ballの目標は、宇宙飛行士が負担している撮影作業をゼロにすることなのです。int-ballはJAXA筑波宇宙センターから遠隔で操作され、ISSを縦横無尽に移動し、姿勢を自由にコントロールしながら好きな方向の静止画や動画を撮影することができます。宇宙飛行士と同じ視点から作業を行うことができるため、地上と宇宙が効率的に連携できるようになり、ISSでの実験成果を最大化することに貢献しています。
最後にint-ballの開発者の方のお話ですが、「最初は難しいと感じても、あきらめずに考え続けたりやり続けたりしていると突破口が見えてくるという経験をしてきました。すぐにできないと言わずに、ぎりぎりまで考えるようにしています。」とのことです。みなさんも、あきらめずにやり遂げることを心がけましょう!
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