【オートバイのあれこれ】V4もいいケド…、直4のレプリカも欲しいよね!
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今日は「V4もいいケド…、直4のレプリカも欲しいよね!」をテーマにお送りします。
1980年代から盛り上がったレーサーレプリカブームにおいて、ホンダは4ストレプリカカテゴリーへV4(V型4気筒)エンジンの『VFR400R』を投入していました。
ただその一方、ホンダにはもう一つの4ストレプリカがありました。
それは、並列4気筒エンジン搭載の『CBR400RR』。
現在でもたまに「ヨンダボ」などと呼ばれて話題になることがありますね。
人気・実力ともに盤石のVFRがあったにもかかわらず、ホンダはなぜ同じ土俵にCBRを送り出したのか。
その背景にあったのは、“ホンダのハイスペック直4マシン”を求める声でした。
創業以来、レースシーンでも市販ストリートモデルにおいても、4ストロークの並列多気筒エンジンを一つのアイデンティティとしてきたホンダ。
そんなホンダの伝統を受け継ぐ高性能スポーツモデルがレプリカブーム下で改めて渇望され、CBR400RRは作られたということです。
先代モデル『CBR400R』が、新設計の高性能水冷インライン4エンジンを搭載していたものの、車両キャラクターがツアラー的だったことからまとまった支持を集められず、ホンダはこれを踏まえ、後継となる400RRではレプリカ色・スポーツ色を前面に押し出して開発。
エンジンやフレームといった主要部分は当然のこと、ホイールをアルミ製にし、さらにマフラーも(量産車では前例の無い)アルミで作るなど、細かい箇所にも徹底してレーシーな設計を施します。
外観もレーサー風になり、こうしてホンダは400RRを世間が求めるカタチ(=直4のレーサーレプリカ)で完成させたのでした。
400RRは’87年(昭和62年)のデビュー後すぐに人気モデルとなり、セールスがいまひとつだった400Rのリベンジを見事に果たします。
VFRに続き、400RRでCBRにも確固たるブランド力を持たせることに成功したホンダは、以降4ストレプリカ戦線をVFRとCBRのツートップ体制で臨むことにしたのでした。
実績あるVFRという存在がありながら、CBRが同じ土俵で権威を持つことができたのは、やはりそれだけ「ホンダの直4レプリカ」を求める“信者”が多かったということなのでしょう。
画像引用元:本田技研工業