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【読書嫌いだったライターが教える】読書感想文が「上手く書けない」から脱するコツ

ピッグママチャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー
Photo:pixabay

夏休みの宿題で、最も苦戦するのは『読書感想文』と感じる人は多いと思います。「感想文というより、あらすじになっている」「書きたいことが、まとまっていない」「文章が膨らまない」など、書くことや、本を読むこと自体が、苦手というお子さんも多いでしょう。

筆者も、現在はライターとして、こういった記事の執筆や、脚本・小説にも挑戦するようになりましたが、子どものころは、本を読むのはあまり好きではありませんでした。書き手となったことで、書く”コツ”や、話の展開に”パターン”があることを知り、次第に書くことへの苦手意識も、薄れてきたように思います。

話のパターンを理解する

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ラブストーリー、推理小説、エッセイなど、どんなジャンルにおいても、話の展開には、あるパターンがあります。まず最初に、主人公やその周りを取り巻く人たちの「生い立ちや環境」が描かれ、人生や生活が一変するような「事件や出来事」が起こり、さまざまな「困難や苦労」を経て、それを乗り越えていく(ハッピーエンド)もしくは、儚くも叶わなかった(バッドエンド)という流れです。『シンデレラ』を例に考えてみましょう。

主人公のシンデレラは、幼いころは、両親と暮らしていました(生い立ち・環境)→ 母の死をきっかけに、父が再婚、意地悪な継母たちと暮らすことに(事件・出来事)→ 奴隷のようにこき使われる日々の中、お城で開催される舞踏会への参加を夢みるも、断念(困難・苦労)→ 魔法使いの魔法によって、舞踏会に参加(事件・出来事)→ 王子様と出会うも、魔法使いとの約束のため、城をあとに(困難・苦労)→ シンデレラが落としたガラスの靴を手掛かりに、王子様がシンデレラを探し、めでたく結ばれる(ハッピーエンド)

このように、話のパターンがわかると、心が動くポイントが明確になったと思います。

  1. 主人公の生い立ちや環境、性格などに共感した もしくは、刺激を受けた
  2. 主人公が困難や苦労を乗り越える姿に感動した
  3. 予想外な出来事に困惑した
  4. 主人公が最終的に幸せになってよかった もしくは、願いが叶わず残念だった

感想文では、これらの4つの心が動いたポイントを、詳細に書いていけば、少なくとも「あらすじだけで終わっている」という失敗からは、抜け出せるのではないでしょうか。

読書がどうしても苦手な子は、どんな本を選ぶのがよい?

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先生から、読書感想文で読む本の「テーマ」が出されることもあると思いますが、映画化もしくはアニメ化、絵本でも出ている作品を選ぶとよいと思います。本で内容が理解できなかった場合に、映画や絵本で理解を深めるというイメージです。あとは、お子さんが、聞き馴染みのある作品や童話などを、選ぶのもよいでしょう。

映画版などと比較し、「本でのこの描写がおもしろかった」など、新たな発見があるかもしれません。家族で作品を見ることによって、感想の共有や、心が動いた瞬間を把握することもできます。1つ気をつけることは、本ではなく、映画やアニメの感想文にならないよう、参考程度に見てください。

『〇〇を読んで』以外のタイトル(題名)が思いつかない

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読書感想文の要ともいえる「題名」が、『〇〇を読んで』に、なりがちではないですか。原稿用紙に最初に書く言葉でもあり、そこが上手く表現できていないと、書くモチベーションも上がらないような気がします。「読みたい」と思わせるタイトルとは、どんなものでしょうか。

  1. 感動や驚きなど、感情が伝わるタイトル
  2. 登場人物を自分に置き換えて考えたタイトル
  3. 登場人物を称賛したタイトル

再び『シンデレラ』を例に考えてみましょう。

『キャラクターでも有名な「シンデレラ」、グリム童話を読んでみたら、壮絶な人生だった』
『もし自分がシンデレラだったら、王子様と結婚できるだろうか』
『私が感銘を受けた、シンデレラの勇気と優しさ』

1番上のタイトルは、ネットの記事やSNSの投稿などでも、よく目にする『〇〇してみたら、〇〇だった』という構文で、驚きを表現しています。2番目のタイトルは、自分が登場人物だと仮定し、「王子様と結婚する以前に、今いる環境から即逃げ出す」「誰のことも信用できず、きっとチャンスも逃すだろう」など、作品にあまり共感できなかった場合にも使えます。最後のタイトルは、登場人物に感心した点を挙げてみるとよいでしょう。

YouTubeや漫画など、どういったタイトルなら自分が見たいと思うかを、参考にしてみてもよいでしょう。タイトルが決まれば、書く内容も自然と決まってくると思います。本を読み、心が動いたポイントと、タイトルが合うようにしましょう。

さいごに

読書感想文で、「文章が膨らまない」という問題は、「話や主人公、作者の思いなどに共感できなかった」ことが原因のひとつと考えられます。「共感できなかった」というのもひとつの感想なので、「こういう部分が共感できなかった」「自分が主人公なら、こうする」「作者の思いを自分なりに考えてみる」ことで、文章も膨らんでくると思います。読書感想文で大切なのは、「感じたことを言語化(文章化)すること」です。「どう感じたか」に正解はないので、保護者のかたは、言語化の手助けをするとよいでしょう。

チャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

一児の母として、コーチングや心理学を子育てに応用する方法などを発信しています。年間180本ほど見る映画ファン。

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