ドジャースが三塁手のアレナードをトレードで獲得する可能性はあるのか。三塁にはマンシーがいるが…
ノーラン・アレナード(セントルイス・カーディナルス)には、トレードの噂が浮上している。NJ.comのランディ・ミラーによると、ニューヨーク・ヤンキースかロサンゼルス・ドジャースに移籍するのではないかという声を耳にしているという。
ヤンキースからは、二塁手のグレイバー・トーレスがFAになった。夏のトレードでマイアミ・マーリンズからヤンキースへ移り、三塁手としてプレーしたジャズ・チザムJr.は、それまで三塁の経験がなく、二塁とセンターを守っていた。三塁にアレナードを据え、チザムJr.を二塁に戻すプランがあっても、おかしくない。
一方、ドジャースの三塁には、マックス・マンシーがいる。先月下旬に「341本塁打&ゴールドグラブ10度の三塁手は、トレード拒否権を行使せずポジション変更も受け入れる!?」で書いたように、アレナードは一塁転向を受け入れる用意があるらしいが、ドジャースの一塁は、フレディ・フリーマンの指定席だ。また、大谷翔平がいるので、DHも空いていない。
それでも、ドジャースがアレナードに興味を抱いている可能性は、皆無ではない。
ここ2シーズンとも、マンシーは三塁しか守っていないが、その前は違った。例えば、2019年の先発出場は、二塁が62試合、一塁が42試合、三塁は26試合だ。当時の三塁は、ジャスティン・ターナー(現FA)がレギュラーだった。2020~22年も、マンシーの二塁手としての先発出場は、それぞれ、11試合、31試合、25試合を数える。
一塁がフリーマン、二塁がギャビン・ラックス、遊撃がムーキー・ベッツ、三塁はマンシーの内野カルテットと、一塁がフリーマン、二塁がマンシー、遊撃がベッツ、三塁はアレナードの内野カルテットを比べると、パワーは後者が上だろう。2024年のホームランは、ラックスが10本、アレナードは16本だ。ラックスのシーズン本塁打は、10本が最多。それまでの4シーズンは、計273試合で18本塁打だ。アレナードは、シーズン30本塁打以上を7度記録している。2023年は、26本のホームランを打った。
また、三塁を守るのがマンシーでなくアレナードなら、守備は向上する。二塁の守備は、ラックスからマンシーに代わると、マイナスになるかもしれないが、内野全体としては、プラスのほうが大きいのではないだろうか。
アレナードを獲得した場合、ドジャースは、ラックスをトレードで放出しようとするはずだ。アレナードとの交換も、1対1とは限らないが、あり得なくはない。
ラックスのトレードについては、こちらでも書いた。
◆「ドジャースは二塁手のラックスをトレードで放出するのか。後半の出塁率.390は160人中7位」
なお、アレナードは、全球団に対するトレード拒否権を持っている。けれども、ワールドシリーズ優勝を経験していない――出場したこともない――ことからすると、移籍先がヤンキースかドジャースであれば、拒否権は行使しないと思われる。