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ドジャースは二塁手のラックスをトレードで放出するのか。後半の出塁率.390は160人中7位

宇根夏樹ベースボール・ライター
ギャビン・ラックス(ロサンゼルス・ドジャース)Jul 23, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月中旬にムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)が離脱するまで、ドジャースの併殺デュオは、二塁がギャビン・ラックス、遊撃はベッツ、という組み合わせが多かった。73試合のスターティング・ラインナップのうち、約3分の2の48試合(65.8%)を占めた。

 現時点のメンバーからすると、来シーズンも、そうなりそうだ。8月中旬に復帰後、ベッツはライトを守ったが、来シーズンは二塁か遊撃を守る予定らしい。ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマンらによると、GMミーティングの期間中に、ブランドン・ゴームズGMがそう語ったという。

 トミー・エドマンは、主にセンターを守ると思われる(「ドジャースと5年7400万ドルの延長契約を交わしたエドマンは、遊撃とセンターのどちらを守るのか」)。ミゲル・ロハスは、内野のバックアップだ。

 ラックスは、2023年の全休とスプリング・トレーニング中のポジション変更(遊撃→二塁)を経て、139試合で打率.251と出塁率.320、10本塁打、OPS.703を記録した。オールスター・ブレイク後は、61試合で打率.304と出塁率.390、7本塁打、OPS.898だ。後半に200打席以上を記録した160人のなかで、ラックスの出塁率は7番目に高い。ナ・リーグの84人に限ると、その上には、出塁率.402の鈴木誠也(シカゴ・カブス)しかいない。

 ただ、FAの遊撃手、ウィリー・アダメスハソン・キムがドジャースに加われば、状況は変わる。ベッツが二塁を守り、ラックスはポジションがなくなる。

 ラックスは、2016年のドラフトで、ドジャースに全体20位指名を受けた。年齢は、先月下旬に27歳となったところだ。FAになるのは2026年のオフなので、球団は、それまでにあと2シーズン、ラックスを保有できる。

 例えば、先発投手のギャレット・クローシェイ(シカゴ・ホワイトソックス)の交換要員としては、ラックスは適していないように見える。再建に時間がかかりそうなホワイトソックスが欲しがるのは、もっと保有期間が長い選手だろう。

 トレードがあるとすれば、クローシェイに対し、見返りは、プロスペクト(数名)とラックスの「パッケージ」ではないか。この場合、ラックスは、ホワイトソックスの再建が完了するまでのつなぎ、あるいは別の若手を得るためのトレード要員となる。

 一方、クローザーのデビン・ウィリアムズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)とラックスのトレードなら、あり得そうな気がする。2018年以降の直近7年間に、ブルワーズがポストシーズンに進めなかったのは、2022年だけだ。今オフ、ブルワーズからは、アダメスがFAになった。再契約を交わすには、ブルワーズの予算をオーバーした金額が必要だろう。二塁には好守の若手、ブライス・トゥラング――2024年はゴールドグラブを受賞――がいるものの、本来のポジションは遊撃だ。

 ウィリアムズについては、先月初旬にこちらで書いた。

「3年続けて防御率1点台のクローザーが球団オプションを破棄される。それでもFAにはならず…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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