【現役小児科看護師が教える!】こんなときどうする?吐いているときの対処法
感染症の季節。
コロナの爆発的な流行で様々な抗体を持っていない状態になっているお子さんが多く、次から次へと感染症に罹って大変だと思います。
今回はその中の嘔吐について見ていきたいと思います。
お子さんは胃腸炎でなくても、咳の刺激や食べ過ぎなどでも吐いてしまうことがあります。
まずはどんなときに吐いてしまうのか、吐いてしまう原因に心当たりはあるか、どんなものをどのように吐いてしまうのか確認が必要です。
その上でどのように対応したらよいか、項目別に見てみましょう。
・咳で吐いている場合
咳がひどいときは咳が刺激になって吐いてしまうことが多いです。
食事はいつもより量を減らして食べさせたり、むせたりしない形態の食事を用意することが大切です。
痰はウィルスなどと闘った残骸なので、通常は咳をして、身体の外に出そうとします。
しかし、子供は咳をして痰を出すというのを上手くできないので、吐くことで身体の外に出しています。
痰で吐いてしまうのを防ぐために、食事前、入浴後、寝る前を中心に鼻吸いをして、鼻水や痰を取ってあげましょう。
・何もしていないのに、何度も吐いてしまう
これは典型的な胃腸炎の症状で、胃腸炎の診断がついている方が多いと思います。
このようなときには、食事や水分は控えましょう。
暑いから脱水になるのでは?と心配になる方も多いかもしれませんが、ミルクを飲んでいる場合は水分も一緒に摂れているので問題ありません。
ミルクを飲んでいないお子さんも、1日全く水分が摂れなくても脱水で重症になることは少ないです。
※もちろん、尿が減ってきているのに吐き続ける、ぐったりして唇が乾燥してくるなどの症状が出てくるようであれば救急受診してほしいです。
吐くのが落ち着いたタイミングで、1さじの水分や本当に少量の水分(リンゴジュースやOS1などカロリーの摂れるもの)を試してみましょう。
それで吐くようであればもう少し時間を空けて、吐かないようであれば時間を空けながら少しずつ飲んでみましょう。
・食事中や食事後に吐いてしまう
食事中や食事後に吐いてしまう時は、食事の中にアレルギー食材がなかったか確認しましょう。
万が一あった場合には、
- 以前食べたことはあるか
- どのくらいの量と加熱具合だったか
- 体調は良かったか
これらを確認しましょう。
もし当てはまるものがない場合には、何度か試して同様の症状が出ないか確認しましょう。
万が一、同様の症状が出る場合はアレルギーの可能性があるので医療機関を受診しましょう。
アレルギー食材がない場合には、食べ過ぎや便秘などが考えられるので、1つ1つ原因を取り除いていきましょう。
- 便秘でない
- 食べ過ぎではない
- 吐き戻しをしやすい体質でない
という場合には胃腸炎の可能性があるので、医療機関を受診するようにしましょう。
突然の嘔吐に驚かないために
子供が嘔吐する原因は様々です。
特にコロナ禍で2-3年感染症が流行っていなかったがために感染爆発している今年。
様々な感染症に罹って大変なことと思いますが、できるだけ病院で感染症をもらわないよう自宅で看れるといいですね。
嘔吐した時々のタイミングや症状を見て対処方法が違うので、ぜひ参考にしてみてください。
万が一迷ったり、わからないことがあれば、かかりつけのクリニックや#8000に連絡して指示を仰ぎましょう。
この記事が、みなさんのお役に立てれば幸いです。