誤解している人が多い、本当のBCAAの効果
読んで頂いてありがとうございます!
たくや/ランナーです。都内で医師&ランニングコーチをしています。
今回はマラソンでのBCAAの効果についてまとめます。
・短時間で理解・対策ができるようまとめました。
・時間のない方は、黒板だけでもOKです。
・深く知りたい場合は、Noteも読んで下さい(無料)。
では早速いってみましょう!!
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はじめに
マラソンのスタート前、サプリメントを摂取しているランナーを多く見かけます。エネルギージェルやビタミン剤もありますが、一番多いのはBCAAだと思います。そして自分もよく摂取しています。
ですが実際にBCAAの効果についてランナーに聞くと、結構誤解されている方が多いと感じます。実際どんな効果があるのでしょうか。
BCAAとは
ちなみにBCAAとは分岐鎖アミノ酸というアミノ酸のことです。アミノ酸とはたんぱく質の構成成分ですので、摂取するとたんぱく質よりも速やかに吸収されて(30分程度)効果を発揮します。
そして他のアミノ酸と比べて肝臓や筋肉の栄養になりやすく、肝臓の働きを高めたり筋肉の保護・栄養となることが期待されます。
BCAAの効果
実際にそのBCAAにどんな効果が期待できるかというと、一番は筋肉の保護・増強効果です。特に超長距離のランニングでは、筋肉は崩壊し、体内のBCAAも減少します。BCAAを摂取することで筋肉の崩壊を和らげ、減少したBCAAを補う効果が期待できます。なのでランナーよりも、筋トレをする方の方が愛好者が多いのではないでしょうか。
他ランナーでは、合宿練習やレースなど、体への強い負荷の後におこる免疫の低下を抑えることができると言われています。
レース前にBCAAを摂ったら速く走れるんじゃないの?
様々な広告やHPには、BCAAを摂取すると効率的にエネルギーとして使われる、BCAAを摂取すると脂肪の燃焼が高まるなどと書いてあります。
ですがマラソンの諸々の研究で検討されているのは、BCAAを摂取することにより、脳内ホルモンを介しておこる体の疲れ「中枢疲労仮説」を抑える働きがあるのではないかということです。
ですが「確かにいいよ!」というものもあれば「関係なかった」という論文も存在します。
色々な論文をまとめたレビュー論文では「今後さらなる研究が必要」とされています。
(注意)一般的なBCAAのサプリメントは、BCAAの他にビタミンや、他のアミノ酸が含有されています。なので文献にある純粋なBCAAよりも、効果が見込めることもあると思います。
「BCAAのサプリメントに効果がないよ!」と言っているわけではありません。
BCAAのその他の効果・特徴
ですがBCAAはもちろんランニングにしか効果がないわけではありません。
日頃からBCAAを摂取していた方が、筋肉量が多いとあります。骨格筋量が少ないランナーは日頃から摂取をおすすめします。
また飲酒前に飲むと、二日酔いになりにくいともされています。レース後は打ち上げ前をされる方が多いと思います。そのような方は飲むとよいかもしれません。
また、シリアスランナーの中には肝臓の数値が高いかたも多くいます。そのような方はBCAAが少ないと言われていますので、摂取をおすすめします。
BCAAの摂取をおすすめする人
以上をまとめると
・普段の練習量が多いひと
・骨格筋量の少ないひと
・大会のあとに風邪をひくひと
・お酒をのむひと
・肝臓の数値が高いひと
は、BCAAの摂取をおすすめします。
それは大会でのパフォーマンスを高めるためではなく
・骨格筋量を落とさないため
・風邪をひかないため
・二日酔いにならないため
という目的のためにBCAAの摂取をおすすめします。
以上、最後まで読んで頂いてありがとうございました。
もっと詳しく書いているので、興味があれば自分のNOTEも参照下さい:
(マラソンでBCAAを摂取する効果(どういう人が摂取するといいのか))
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たくや/ランナーについて
中学・高校・大学と陸上競技部で、そして卒業後もランニングを続けています。フルマラソンのベストは2時間50分。
今は都内の病院で勤務をしつつ、ランステでコーチをしています(日比谷ライドのコーチ紹介)。
発信はおもにNOTEでしています(ビアランニングドクターのNOTE)。