主な新興国・米国経済ニュース(29日)
ベトナムのウィルス対策ソフトBKAV、同国初のスマホ製造・販売へ
ベトナムのコンピューターウィルス対策ソフト大手BKAVは26日、4年の歳月をかけて独自に開発した国内初のスマートフォン「Bフォン(Bphone)」を正式に発表した。ベトナムの声・ハノイ放送局(電子版)などが27日に伝えた。
BフォンのCPUは携帯電話向け半導体大手の米クアルコム<QCOM>製プロセッサ「スナップドラゴン801」を使用しており、演算命令処理速度は2.5ギガヘルツ。また、スカイハイニックス製の3ギガバイト(GB)のRAM、東芝製のeMMC 5.0規格のフラッシュストレージも採用している。
また、ディスプレイは5インチTFT液晶マルチタッチ、内蔵の前面カメラの画素数は5メガピクセル、背面カメラの画素数は12メガピクセルで、米半導体イメージセンサー大手オムニビジョン・テクノロジーズ製のCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサーを搭載。OS(基本ソフトウエア)はグーグルの携帯電話向け基本ソフト「アンドロイド5.0」準拠のBOSとなっている。
6月2日から記憶容量16GBを999万ドン(約5万7000円)、64GBは1269万ドン(約7万2000円)、128GBは2019万ドン(約11万5000円)で販売する予定。
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米通信用半導体大手アバゴ、米同業ブロードコムの買収協議大詰めに
米携帯電話・産業用ネットワーク機器向け半導体設計大手アバゴ・テクノロジーズ<AVGO>は、米通信用半導体大手ブロードコム<BRCM>に対し約350億ドル(約4.3兆円)の買収案を提示し協議を進めている。米経済専門チャンネルCNBC(電子版)などが27日に関係者の話として伝えた。
買収協議は大詰めの段階を迎えており、早ければ29日にも合意し正式に発表される可能性がある。米国内外でスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)型PCなどのモバイル機器向けに電子部品を供給するIT企業同士の合併が進んでおり、今回のアバゴによるブロードコム買収もその流れに乗ったもの。3月には蘭半導体大手NXPセミコンダクタ―ズが米同業フリースケール・セミコンダクターを118億ドル(約1.5兆円)で買収することで合意したほか、米半導体最大手インテル<INTC>も米同業アルテラと買収協議を進めている。
このニュースを受けて、ブロードコムの株価は27日、21.81%高の57.16ドルと急騰し、この1年間で約76%も急騰したことになる。一方、アバゴの株価も7.76%高の141.49ドルを付けている。
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米GM、16年型シボレーにグーグルとアップルの自動車向けソフト搭載へ
米自動車最大手ゼネラル・モーターズ<GM>は、2016年末までに同社製乗用車「シボレー」の2016年型車の14車種に、ドライバーが自分のスマートフォンを使って同社の車載情報通信システム「マイリンク(MyLink)」にアクセスし、音声だけで音楽や地図などの機能ボタンの操作を可能にする米インターネット検索大手グーグル<GOOGL>の「アンドロイド・オート」と米IT大手アップル<AAPL>の「カープレー」のソフトウエアを標準搭載する計画だ。米経済専門テレビ局フォックス・ビジネス(電子版)などが27日に伝えた。
この新機能を搭載した最初のモデルは、来月発売予定のシボレーの「チェビークルーズ」のマイナーチェンジ車となる予定で、その後も「スパーク」や「マリブ」、「インパラ」、「ボルト」、「カマロ」、「コルベット」、「コロラド」、「シルベラード」、「タホー」、「サバーバン」へと拡大していくという。これまで、自動車会社は独自のテレマティクス(車両などの移動体に携帯電話などの通信システムを通じてリアルタイムに情報提供する機器)向けソフトウエアの開発を進めてきたが、現在では既存の他社製のソフトウエアを導入する動きに代わってきている。米自動車大手フォード・モーター<F>も2016年末までにグーグルとアップルの自動車のドライバー向けソフトの両方を搭載する計画だ。
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先週のロシアCPI伸び率、16%上昇割り込む―4月GDPは4.3%減
ロシア連邦統計局は27日、同国の先週(19-25日)のCPI(消費者物価指数)伸び率が前年比15.8-15.9%上昇と、前週(18日終了週)の同16.1%上昇を下回り、2月以来3カ月ぶりに16%上昇の水準を割り込んだことを明らかにした。モスクワ・タイムズ(電子版)が伝えた。
今年のCPIの動きを見ると、1月は15%上昇だったが、ルーブル安の進行で輸入物価が押し上げられ、3月には16.9%上昇にまでインフレ率が加速していた。ここにきてインフレ率の伸びが落ち着いてきた背景には、ルーブル安に歯止めがかかり、ドルなど主要通貨に対し回復し始めていることがある。実際、昨年は、ルーブルはドルに対し、40%以上も下落していたが、2月初め時点では下落幅も30%超にまで持ち直している。経済発展省も4月に同国の2015年CPI上昇率の見通しを従来予想の12.2%から11.9%へ、上方修正(改善方向)している。
同国のインフレ率がようやく16%上昇を下回ったとはいえ、依然、高水準には変わりがなく、4月の小売り売上高も前年比9.8%減と、1-3月期の同6.7%減を超えており、高インフレがロシア経済に大きな影響を及ぼしている。また、ロシア開発対外経済銀行(VEB)は同日、4月の国内GDP(国内総生産)伸び率が前年比4.3%減となり、大幅なマイナス成長が続いていることを明らかにしている。(了)