火星の地下に大量の水を発見、太古の昔に失われた大量の水は地下に眠っている?
アメリカの研究チームは、火星の深さ約10~20kmの地下に大量の水が存在するという証拠を発見しました。本記事では、水が見つかった詳細をはじめ、最近続々と発見が続いている火星に関するニュースをお届けします。
■火星の地震活動のデータから、地下に水が眠っている可能性が高い
NASAは2018年、火星表面に探査機「インサイト」を着陸させました。インサイトには地震計や熱伝達プローブなどが搭載されており、火星の地震活動を数百回観測することに成功しました。その中には、マグニチュード3~4程度の強い地震も含まれています。
そして、カリフォルニア大学の研究チームがインサイトの地震計データを分析したところ、地表から深さ10~20km付近の岩石の層に大量の水が含まれている可能性が高いことが判明したのです。
火星の表面には太古の昔に水が流れていたことを示す、堆積物などの兆候が多々見つかっています。しかし、現在の表面には水は見つかっておらず、蒸発して宇宙空間に出てしまったという仮説が立てられていました。今回の発見により、火星の地下には水が豊富に眠っている可能性が高まり、今後の生命・資源探査にとって最も重要な調査対象になることが予想されます。
■火星表面に生命存在の兆候を発見
NASAによると、火星で探査ミッションを継続中のローバー「パーシビアランス」が、数十億年前に生存していた可能性がある微生物の痕跡を発見しています。
2021年、NASAは探査車「パーシビアランス」を火星に着陸させ、現在も表面の探査を行っています。7月21日、太古の昔に川が流れていたと推測されている「ネレトバ渓谷」の岩石を分析したところ、ある化学物質が初めて確認されました。それは、数十億年前に生存していた微生物がエネルギー源として使用していた可能性のある物質とのことです。このような物質は地球でも見つかっており、微生物による化学反応により生成されることから、生命の痕跡として考えられるとのことです。
更には、パーシビアランスは微生物が生息した可能性のある古代の湖も発見しています。ジェゼロクレーター付近で堆積物の分析を行ったところ、過去にこのクレータは水で満たされており、微生物などの生命体が生息している可能性があるとのことでした。ここで回収されたサンプルは、2030年代に地球へ持ち帰られる計画が進められています。
もし火星に本当に微生物がいたとしたら夢が広がりますよね。是非、火星からのサンプルリターンミッションを成功させてほしいですね。
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