地球は木星の重力に守られている?95個もの衛星を持つ木星、地球に落ちる筈だった隕石も引き付けていた?
6600万年前、恐竜や巨大な昆虫が生息している地球に、直径10kmを超える巨大隕石が時速6.4万kmという恐るべき速さで衝突しました。私たちは、普段から隕石の衝突を警戒はしていませんが、実は「木星の強すぎる重力が地球を守ってくれている」という説をご存知でしょうか。
本記事では、木星を取り巻く太陽系の天体たち、そして土星との衛星数競争まで解説していきます。
■木星は地球を隕石から守っている?
地球より11倍も大きい木星ですが、度々小惑星や彗星の衝突が観測されています。なんと1カ月に5回程度のペースでこのような衝突が起きているのではないかと考えられています。もしこれが地球で起こってしまった場合は、私たち生命は恐竜のように絶滅してしまうでしょう。
しかし、実は木星はその大きな重力により、地球に落ちるはずだった小惑星も引き付けてくれているのです。私たちの暮らしにとって何と有難い惑星なのでしょうか。
更に、木星と太陽の釣り合うラグランジュ点の周りには、1万1000個を超えるトロヤ群小惑星が周回しているのです。太陽系の小惑星を大量に引き連れる木星、とても頼もしいですね。しかし一方で、最近の研究ではむしろ木星が隕石を地球に送り込んでいるという見方もあります。
■木星と土星の衛星数競争
太陽系の中でもひときわ大きい木星と土星ですが、1600年代から衛星の数で熾烈な争いを繰り広げていることをご存知でしたか。ちなみに、地球の衛星は皆さんも良く知る月ですね。
そして、最初に争いの火ぶたを切ったのは木星。1610年にガリレオが木星に4個の衛星を初めて発見しました。それから土星も巻き返しを図り、1789年には合計6個が発見され脅威の逆転を決めています。
そして時は流れ2023年、木星が95個、土星が83個となり、土星の劣勢が続ていました。しかし、ここから土星の真価が発揮されます。なんと土星の衛星が新たに63個も発見されたのです。遂に太陽系で唯一100個を超える衛星を持つ惑星として、頂点に返り咲いた瞬間でした。
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