猫が『飼い主を見分ける』3つの方法!驚くべき猫の感覚能力を徹底解説
犬とは違い、猫は飼い主に対して少しクールな態度をとることが多いですが、それでも深い絆を築いていることは確かです。
では一体どのようにして、猫は飼い主を認識しているのでしょうか。
1.猫が飼い主を認識する方法3つ
1‐1.嗅覚で「におい」を感知
猫の嗅覚は、飼い主を認識する際に非常に重要な役割を果たします。
猫の嗅覚は人間の数万~数十万倍以上優れているといわれ、「におい」から得られる情報量は人間の想像をはるかに上回るほどです。
そしてこの鋭い嗅覚があるため、猫は飼い主の体臭を覚えることがでます。視覚に頼らなくても、飼い主を識別することが可能なのです。
また飼い主だけでなく、遺伝的に近い家族のにおいも「飼い主に似ているにおいだな」と感知できるそうです。
帰宅時に猫が駆け寄ってスリスリする行動も、「飼い主から変なにおいがする!においを上書きしなくちゃ」と、飼い主から漂う異臭を消して、自分のにおいでいっぱいにしようとするからなんですよ。
【ひとこと】愛猫はわたしの帰宅時、まずにおいを嗅いで様子をうかがってきます。わたしは動物看護師だったので、ほかの猫のにおいがつているためか、戸惑った顔をしてからスリスリしてきてくれます(笑)猫には「浮気」がお見通しのようです。
1‐2.聴覚で「飼い主の音」を感知
猫の聴覚も、飼い主を認識する重要な手段の一つです。
ハンター動物である猫は非常に優れた聴力を持っており、その能力は人間の4倍で犬よりも優れた聴覚を持ちます。
音域も広く、とくに高い音に敏感で、飼い主が名前を呼ぶときや話しかけるときのトーンもしっかり覚えています。
そのためオペラ歌手のように発声法を変えない限り、飼い主が多少声色を変えたとしても、電話越しで聞こえた声だとしても、猫は判断できるようです。
また、飼い主が発する生活音も猫にとっては重要な判断材料。
たとえば忙しい足音を聞けば「お母さんだ」、少しドスドスした足音を聞けば「お父さんだ」と、その音を発する人物も特定できます。
【ひとこと】我が家はごはん担当が母だったので、愛猫たちは母の声にとても敏感です。わたしが呼んでも、スルーされることが多々あるのに…。自分が好きな人の声をきちんと認識して、態度を変えているのかもしれません!
1‐3.視力で「飼い主のシルエット」を認識
猫は視力を使っても飼い主を判断しますが、嗅覚や聴覚と比べると視力の重要性は低いです。
というのも、猫は視力が人間の10分の1程度しかないため、ぼんやりとした情報しか得られないからです。
もともと猫は薄明薄暮性のハンター動物で、カラフルで明るい時間に活動する動物ではありません。
人間のようにはっきり見えていなくても、優れた動体視力があれば、生活に不便はないのです。
そのため猫の目には、飼い主の姿はぼんやりとしたシルエットとしか映っていません。
近くによれば顔も見えるかもしれませんが、遠くにいるとそれが飼い主とは判断できないでしょう。視力だけでは、飼い主を判断するには限界があるのです。
2.猫は飼い主の「気分」も感じ取れる!
猫は単に飼い主の声や匂い、動きを認識するだけでなく、飼い主の「気分」や感情も敏感に感じ取ることができます。
人はイライラしているとき「緊張感」が声色にあらわれたり、機嫌がいいときは柔らかくなったりして、それを猫は敏感に感じ取ることができるようです…。
猫はその場の空気や緊張感を総合的に分析して、飼い主の気分を判断しているんですね。
3.まとめ
猫は視力・聴力・嗅覚や学習能力を駆使して、飼い主を特別な存在として認識しています。
しかし、それだけではありません。毎日の触れ合いを通じて、猫は飼い主との間に深い絆を築いていきます。
尻尾を立てて挨拶したり、体をすりすりしたり、膝の上でくつろいだり...これらの行動は猫が飼い主を信頼し、愛していることの表れです。
飼い主として大切なのは猫の気持ちを理解し、応えていくこと。そうすることで、より深い絆が生まれ、お互いにとって幸せな関係が築けるはずです。