相模鉄道の悲願が叶う11月末ダイヤ改正 都心直通へ
このほど、相鉄・JR直通線の運行計画が発表された。11月30日に新ダイヤでの運行を開始する。
相模鉄道本線の海老名からJR東日本の埼京線新宿までを結ぶ列車が中心となり、朝通勤時間帯の一部列車は大宮方面に直通となる。
1日に46往復が運行され、朝ピーク時間帯は1時間あたり4本、その他の時間帯は1時間あたり2本から3本運転される。
列車種別は相鉄線内では特急と各停が設定され、特急は海老名・大和・二俣川・西谷・羽沢横浜国大と停車し、JR線内では各駅に停車する。
このダイヤ改正にともない、相鉄の特急はこれまで停車していなかった西谷にも停車し、乗り換えの利便性を図る。
使用車両は相鉄が12000系、JR東日本がE233系で、二俣川から新宿まで最速44分で行くことができる。
大きく変わる相鉄ダイヤ
相鉄・JR直通線により、相鉄の「都心と直結させる」という悲願が成し遂げられることになる。そのため、相鉄線内のダイヤについても、新しい取り組みが行われようとしている。
まずは特急・快速の西谷への停車だ。西谷はこれまで、各停しか停車してこなかった駅だが、乗り換えの利便性を図るため、快速だけではなく、特急も停車させることになった。
朝時間帯のいずみ野線には各停しかなかったものの、新しく通勤特急・通勤急行を導入し、いずみ野線から横浜への速達性を向上させるだけではなく、二俣川でJR線直通の特急と接続させ、利便性を向上させる。
相鉄・JR直通線の開業により、相鉄のダイヤは革新的な変化を遂げ、各方面から都心、あるいは横浜までの利便性が格段に向上するのだ。
JR乗り入れの今後は?
JR乗り入れに関しては、多くの列車は新宿までということになったものの、相鉄12000系を見る限り、ドア開閉ボタンなどが備えられ、新宿より北側の内陸部まで行くのに十分な設備を持っている。「大宮方面に直通」とあるものの、大宮までだけではなく、川越線の川越までということも十分に考えられる。
現在、埼京線のダイヤに関しては、大宮方面~新宿間の列車も設定されている。湘南新宿ラインや横須賀線などとの調整も必要なものの、大宮方面~新宿間の列車を相鉄方面に延長させるということもありうる。
東急乗り入れとの関係は?
将来は、東急線への乗り入れも予定されている。JRに乗り入れるよりも多くの本数が東急に乗り入れることになる。20000系の10両編成は渋谷方面に、8両編成を新造して東急目黒線内に乗り入れるということが現段階では予想できる。
本数の関係から、東急線内乗り入れにより力を入れるという見方も可能である。JR乗り入れは横須賀線・湘南新宿ライン・埼京線・りんかい線と配慮しなくてはならない路線が多く、どうしても本数を多くできない。一方で東急線内乗り入れでは、メインは日吉までの東急目黒線の列車をそのまま延伸すればよく、そちら側の本数を増やすというほうがダイヤ作成上難しくはないからだ。
そうなると、相鉄線内の利便性をどうするかということが課題になるものの、二俣川を中心にクロスするというようなダイヤを組んでいけば十分である。
この先、JR乗り入れは増えていくであろうものの、大きく増えていくというのは難しいだろう。しかし、相鉄にとっては悲願の都心直結が実現したということであり、このダイヤ改正は未来への一里塚となるものである。