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今永昇太とコルトン・カウザーの前に4月の月間最優秀新人に選ばれたルーキーは、新人王を受賞しているのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
コルトン・カウザー(ボルティモア・オリオールズ)Apr 9, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月の月間最優秀新人に、ナ・リーグは今永昇太(シカゴ・カブス)、ア・リーグはコルトン・カウザー(ボルティモア・オリオールズ)が選ばれた。

 正確には、4月だけでなく、3月も含めて「1ヵ月」としている。9月と10月も同様だ。

 今永は、5月1日の7イニング無失点を含めず、先発5登板で27.2イニングを投げ、奪三振率9.11と与四球率0.98、防御率0.98を記録した。4勝を挙げ、黒星はなし。4イニング無失点の2登板目も、カブスは勝利を収めた。

 カウザーは、メジャーリーグ2年目の外野手だ。2021年のドラフトで全体5位指名を受け、昨年7月にメジャーデビュー。昨シーズンは、26試合で打率.115と出塁率.286、0本塁打だったが、今シーズンは、3月と4月を合わせ、28試合で打率.303と出塁率.372、6本塁打を記録した。

 今永とカウザーの前に、4月の月間最優秀新人に選ばれた44人中、シーズン全体の新人王を受賞したのは7人。その割合は15.9%(7/44)となる。2001年のアルバート・プーホルスイチロー、2008年のジオバニー・ソト、2014年のホゼ・アブレイユ(当時シカゴ・ホワイトソックス/現ヒューストン・アストロズ)、2017年のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、2018年の大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現ロサンゼルス・ドジャース)に、2019年のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)がそうだ。

 一方、4月の月間最優秀新人になりながら、新人王投票では0ポイント、1位票、2位票、3位票のいずれも皆無だった選手は、31.8%の14人を数える。新人王を受賞した選手の倍だ。

筆者作成
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 なお、今シーズン、4月の最優秀選手には、ムーキー・ベッツ(ドジャース)とガナー・ヘンダーソン(オリオールズ)が選ばれた。最優秀投手は、レンジャー・スアレス(フィラデルフィア・フィリーズ)とホゼ・ベリオス(トロント・ブルージェイズ)。最優秀救援投手は、ライアン・ヘルズリー(セントルイス・カーディナルス)とメイソン・ミラー(オークランド・アスレティックス)だ。

 ナ・リーグの最優秀新人と最優秀投手、今永とスアレスを比べると、奪三振率と与四球率と防御率は、僅差ながら、いずれも今永のほうが優れている。スアレスは、奪三振率8.78と与四球率1.10、防御率1.32だ。ただ、スアレスの登板は、今永より1試合多い。6登板で41.0イニングなので、1登板の平均イニングも今永を上回る。スアレスは、5勝を挙げ、こちらも黒星はなし。フィリーズは、スアレスが登板した試合で、すべて勝っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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