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球場にトイレの客席!? トイレに座ってスマホで観るのではなく、トイレに座りながらリアルで試合観戦

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリーブランド・ガーディアンズ傘下のA+が球場の客席にトイレを設置(写真:イメージマート)

 6月27日、レイクカウンティ・キャプテンズは、ホームの球場であるクラシック・オート・グループ・パークに、トイレの客席を設けたことを発表した。

 キャプテンズは、マイナーリーグの球団、クリーブランド・ガーディアンズ傘下のA+(アドバンスドA)だ。オハイオ州イーストレイクに本拠を構える。

 キャプテンズがXに掲載した写真からわかるとおり、球場の客席の1列に、トイレが並んでいる。そこには、「何でトイレに座ってスマホでプレーを見る…トイレに座りながら試合のすべてを観ることができるのに!?」と書いてある。

 8つのトイレが並ぶ、この場所は「ロト-ルーター・トイレット・ロウ(ロト-ルーターのトイレの列)」と名づけられている。ロト-ルーターは、配管や水道設備などを扱う会社の名前だ。

 実際にトイレとして使用できるわけではなく、その座り心地が売りらしい。リリースには、「ロト-ルーターのおかげで、ファンは、自宅における最高の「シート」から試合を愉しむことができる」というGMのコメントがある。また、バスルーム・アテンダントがいて、マウスウォッシュ、櫛、ガムを持ってきてくれるので、試合中、フレッシュな状態を保てるという。

 これまでに、前例があったのかどうかはわからないが、皆無の可能性は高い。日本プロ野球では、横浜ベイスターズが横浜DeNAベイスターズとなる前に、リクシルが球団を買収するという話が出ていたが、それが実現しても、横浜スタジアムにトイレの客席、ということにはなっていなかっただろう。

 なお、トイレに座りながら、キャプテンズのホーム・ゲームを観る際は、もちろん、どんな服装でも構わないが、バスローブの着用が「正装」のような気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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