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【温泉地の絶品スイーツ】って、なに? 甘い系、あまじょっぱい系、ぷるるん系……

山崎まゆみ観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)
絹のようなとろける食感の佐賀県嬉野温泉「大村屋プリン」(撮影筆者)

今年の連休は、どこの観光地や温泉地も混みあう様子がニュースで伝えられていた。ゴールデンウイーク終盤にあたる今日も、やはり各地は賑わいをみせているだろう。

食べてきて欲しい【絶品スイーツ】をご紹介しよう。

※この記事は2023年4月に発売された『温泉ごはん 旅はおいしい!』(河出文庫)から抜粋し転載しています。

有馬温泉 炭酸煎餅

ライトアップされた「有馬温泉 元祖 三津森本舗」の風格ある看板に吸い込まれるように店内に入ると、ほんのりとした甘い香りに包まれた。「三津森本舗」では焼きたての炭酸煎餅をふるまっている。いただくと、口の中で「ぱりっ」と音を響かせ、ほっとさせてくれた。まるで郷愁のような、懐かしさがこみ上げる。バターや卵、添加物は使っていないというその素朴な風味は、昭和の建築物と温泉街の夕景の情緒に実にはまるのだ。

三津森本舗の横に新設された『mitsumori cafe』(撮影筆者)
三津森本舗の横に新設された『mitsumori cafe』(撮影筆者)

三津森本舗の横に新設された『mitsumori cafe』には炭酸煎餅をアレンジしたメニューが並ぶ。フレンチトースト、ミルクレープ、三ツ森パフェなどが写真付きで並び、目移りする。私はティラミスを頼む。運ばれてきたティラミスを見て、「あれ、炭酸煎餅が見当たらないぞ…?」と、首をかしげると、なんとあのパリパリの煎餅6枚を、神戸で人気のヒロコーヒーに浸し、薄いワッフルのように仕上げてあった。口に入れると、マスカルポーネの塩気とバニラアイスの甘みで、確かにティラミス!

マスカルポーネの塩気とバニラアイスの甘みで、ティラミス!(撮影筆者)
マスカルポーネの塩気とバニラアイスの甘みで、ティラミス!(撮影筆者)

炭酸煎餅をアレンジしたメニューが並ぶ(撮影筆者)
炭酸煎餅をアレンジしたメニューが並ぶ(撮影筆者)

道後温泉 ちゅうちゅうゼリーとタルト

道後温泉で食べたみかんは本当に甘かったな~。くわえてみかんをゼリーにした「ちゅうちゅうゼリー」を吸うと、みかんの酸味と甘みが広がった。

松山のお隣の大洲で購入した銘菓「志ぐれ」は小豆が原材料で、甘すぎずに品のある味だ。ういろうにも似ているような気がするし、おしつけがましくなく、飽きないものだからどんどん減っていく。

松山名物と言えば、「松山銘菓タルト」が有名だ。なんでもポルトガルから伝来した南蛮菓子を松山に持ち帰ると、松山藩主が気に入り、こちらでも作るよう命じられたそうだ。柚子が香る餡がみっしりと詰まった、きめの細かい生地のロールケーキだ。

嬉野温泉 お茶とプリン

絹のようなとろける食感の「大村屋プリン」(撮影筆者)
絹のようなとろける食感の「大村屋プリン」(撮影筆者)

嬉野温泉でいただくお茶は本当においしい。そのお茶と共に忘れられないスイーツを食した。絹のようなとろける食感の「大村屋プリン」。

大村屋の夕食のデザートで食したが、おやつにもよし。抹茶もコーヒーにもあうプリンだ。

今は改良されて、新たに「大村屋牛乳プリン」として誕生した。

ナカシマファームの朝取り牛乳を使い、なめらかな舌触り。蜜をかけ、ほのかな甘みとほろ苦さが特徴で。その塩梅が絶妙という評判。

「搾りたての生乳になったことで、なめらかさと濃厚さが増したと好評です」と北川健太社長は笑顔だ。

嬉野温泉「大村屋」の客室(撮影筆者)
嬉野温泉「大村屋」の客室(撮影筆者)

観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)

新潟県長岡市生まれ。世界33か国の温泉を訪ね、日本の温泉文化の魅力を国内外に伝えている。NHKラジオ深夜便(毎月第4水曜)に出演中。国や地方自治体の観光政策会議に多数参画。VISIT JAPAN大使(観光庁任命)としてインバウンドを推進。「高齢者や身体の不自由な人にこそ温泉」を提唱しバリアフリー温泉を積極的に取材・紹介。『行ってみようよ!親孝行温泉』(昭文社)『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)『宿帳が語る昭和100年 温泉で素顔を見せたあの人』(潮出版社)温泉にまつわる「食」エッセイ『温泉ごはん 旅はおいしい!』の続刊『ひとり温泉 おいしいごはん』(河出文庫)が2024年9月に発売

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