49歳。仕事、結婚、住居のすべてを失うという最悪の1年間を経験しました~おみおじリポート(156)~
婚活に必要な特徴、フックについて。何もなければ相手の心に引っかかりません
※2023年6月26日追記:高梨さんはオネット外で出会った男性と真剣交際に入りました。当然ながら、お見合い申し込みを停止しています。ご了承いただき彼女の幸せを応援していただければ幸いです。
こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。
15年ほど前、先輩ライターからキャリア指導をしてもらったことがあります。「専門とまでは言えなくても特徴を持つことは大事」というものです。その先輩は古本や裁判傍聴などの分野をたくさん取材していて書籍も出しています。すなわち特徴ですね。そうすると、出版社などの依頼側としても「このテーマならあの人に執筆を頼もう」という話になり、企画会議を通すための材料(著作の売れ行きや受賞歴など)もあればなお良し、です。
婚活もちょっと似ていると思います。飛び抜けた美形、輝かしいキャリア、目立つほどの高年収などはわかりやすい特徴です。ただし、蓼食う虫も好き好き、と言います。見上げるような相手ではなく、自分と似たような環境で育った人がいい、ということも少なくありません。その場合でも、ちょっとした面白さというかフックのようなものがお互いに必要。何もなければ心に引っかかりようがありませんからね。
何の特徴もないという人は存在しません。ただし、自分自身では他人に魅力的に映る形でその特徴を見つめて提示することは難しいですよね。人はなかなか客観的にはなれないものだからです。結婚相談所やオネットのように仲介者(仲人、カウンセラー、お世話係)がいる場合は、その助けを借りるに越したことはありません。
失敗したら失敗したなりに出来上がってくれる。パン作りのすべてが可愛くて楽しい
兵庫県に住んでいる高梨彩さん(仮名、49歳)の場合は、僕が探し当てるまでもない魅力的な特徴を持っています。パン作りです。
高梨さんは信用金庫から転職した金融系の会社では正社員として15年間も勤務。そのキャリアを投げ捨てて、現在は食品スーパーに入っているベーカリーの派遣社員をしているほど。一人暮らしの生計を立てながら、カフェ兼パン屋の開業を目指しています。
「今のお店では、冷凍で送られてきた生地を成型して焼くという二次工程のみです。本当は生地をこねるところからやりたいのですが、今はまだ修業の身だと思っています」
ここまでパン作りにハマるきっかけになったのは、12年ほど前に仕事のストレス解消のために通い始めたパン教室です。
「生地をこねて、成型して、焼き上げる。工程を経るごとにパンがふわふわに成長していくのがわかります。イースト菌は生きているので、失敗したら失敗したなりに出来上がってくれるんです。そのすべてが可愛くて楽しい! 仕事の疲れが癒やされ、どんどんハマっていきました」
仕上がりや食べてもらった感想だけでなく、作る工程を愛していることが伝わってくるようなコメントです。人生の中で1つでもいいので、このような対象に出会えた人は幸せ者だと思います。それを仕事にできたら最高ですね!
それでもやっぱり私は誰かのために生きていきたい、誰かと一緒に人生を歩んでいきたい
仕事の面では残りの人生を賭けるに値するテーマを見つけた高梨さん。生活の面でも愛するパートナーを探しています。しかし、45歳のときに結婚した3歳下の男性との共同生活はわずか1年で終わってしまいました。
「結婚相談所に紹介してもらい、聞き上手の良い方だと思って結婚したのですが、借金があることがわかったんです。私はそれでもなんとか一緒に暮らしていきたいと思ったのですが、相手は私に借金がバレたことが嫌だったらしくて話し合いに応じてくれませんでした」
その相手は高梨さんと一緒に住んでいた部屋を勝手に解約。地元に帰ってしまったそうです。その頃は知り合いが開業した飲食店にランチ用のパンを焼いて提供する仕事をしていた高梨さん。コロナの影響でお店が閉まることになり、「仕事、結婚生活、住居のすべてを失うという最悪の1年間」を経験しました。
「いろいろありましたが、それでもやっぱり私は誰かのために生きていきたい、誰かと一緒に人生を歩んでいきたいと思います。価値観は違って当たり前だと思うので、お会いしたときのお互いのフィーリングを一番大事にするつもりです。見た目や年齢のこだわりはありません。自分の意見もあり、ちゃんと話し合いができる方が希望です」
好きになれる人と一緒になりたいなら、その他の条件はほとんど捨てる覚悟が必要です
フィーリング重視だと言いながらも、「できれば兵庫県内に暮らし続けたい。大阪もちょっと遠い」とか「56歳ぐらいまでの男性がいい」などと次々と条件が出てくる高梨さん。このへんはマチコ先生にくぎを刺してもらいましょう。
「年齢や住む場所などの条件で検索して相手を探しているのは男性の婚活も同じです。すると、40代以降の女性の婚活は非常に厳しい戦いになることをまずは知ってください。高梨さんが『好きになれる人と一緒になる』を条件にするならば、その他のほとんどの条件を捨てるぐらいの覚悟が必要です。もちろん、パン作りは続けてください。パンを中心としたストーリーは高梨さんの個性であり魅力ですから」
私事になりますが、僕も11年前に再婚して東京から愛知県の三河地方に引っ越して来ました。再婚相手が家業を継いでいて、地元から遠くには離れられなかったからです。僕だって地元から遠くには行きたくなかったのですが、勇気を出して引っ越してみたら三河暮らしがじわじわと楽しくなってきました。1年前からは、港の漁師から魚介類を仕入れてさばいて近所と分かち合う、農作物と物々交換する、なんていうサークル活動まで始めています。東京に住んでいたら思いつきもしなかったでしょう。
結婚とは異文化交流であり、そこから自分の意外な能力を見つけて育むこともできます。最初はいろいろ大変なこともありますが、時間の経過とともに解消できる課題がほとんどです。そして、その土台にあるのは夫婦の愛情と信頼なのだと思います。高梨さん、会社を辞めてパンを選び取ったときと同じぐらいの気持ちで優先順位をつけて婚活に臨んでください。その先に意外性のある幸せが待っています。
※文中の受けオネット会員は仮名です。高梨さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。