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首位打者を獲得したこともあるスピードスターがロースターから外される。今シーズンの打率は.305だが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ディー・ストレンジ-ゴードン(ワシントン・ナショナルズ)May 26, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月14日、ワシントン・ナショナルズは、ディー・ストレンジ-ゴードンを40人ロースターから外した。DFAだ。

 ストレンジ-ゴードンは、マイアミ・マーリンズ時代の2015年に首位打者を獲得している。この時の打率は.333。その2年後にも、リーグ10位の打率.308を記録した。今シーズンの打率は.305(59打数18安打)だ。

 ただ、今シーズンの出塁率は、打率とまったく同じ。もともと、四球率は低めだが、今シーズンはヒット以外の出塁が一度もない。そのため、打率が高くても、出塁率は低い。ちなみに、2015年と2017年の出塁率は.359と.341だった。

 また、2014~2515年と2017年は55盗塁以上を記録し、いずれも盗塁王を獲得したが、今シーズンは3盗塁に対し、盗塁死が2度だ。これまでに、シーズン5本塁打以上は皆無。二塁打も、25本に達したことはない。遊撃とセンターを含む内外野を守るとはいえ、名手ではない。

 ストレンジ-ゴードンに代わり、26人ロースターに加わったのは投手だが、出場機会は、その前に失われていた。開幕から欠場していたユーティリティのエイレイ・アドリアンザが、6月7日に復帰。翌日以降、ストレンジ-ゴードンの出番は、途中出場すらなかった。

 ここからFAになったとしても、メジャーリーグ契約を手にすることは難しそうだ。昨オフにナショナルズと交わしたのも、マイナーリーグ契約だった(「盗塁王3度と首位打者1度のスピードスターが、今年5度目のマイナーリーグ契約」)。現在の年齢は34歳だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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