Yahoo!ニュース

遊撃手に3年6000万ドルをオプト・アウトされた球団は、代わりに二塁手を探す!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ザンダー・ボガーツ Aug 31, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2019年の開幕直後、ザンダー・ボガーツは、ボストン・レッドソックスと6年1億2000万ドル(2020~25年)の延長契約を交わした。そして、残り半分の3年6000万ドルとなったところで、契約を打ち切った。ちなみに、この契約において、オプト・アウトできる機会が設定されていたのは、今オフの1度きりだ。

 2018年から、ボガーツは、5シーズン続けて出塁率.360以上を記録している。打率は.285以上、四球率は9.0%以上だ。パワーはやや右肩下がりながら、短縮シーズンの2020年を除いた4シーズンの平均は、ホームランが23.5本、二塁打は42.3本。年齢は、先月、30歳になったばかりだ。

 レッドソックスとボガーツは、昨オフに契約延長の交渉を行っていた。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンが報じた記事によると、レッドソックスの申し出は、4年9000万ドル(20222023~26年)くらいだったという。オプト・アウトしたことからわかるとおり、ボガーツはそれを拒否した。

 レッドソックスがボガーツを呼び戻すには、総額1億5000万ドル以上が必要だろう。ボガーツは、今オフのFA市場で「遊撃手ビッグ4」の一角を成す。他の3人は、カルロス・コレイアトレイ・ターナーダンズビー・スワンソンだ。

 MLB.comのマーク・フェインサンドによると、レッドソックスは、いくつかの球団に、二塁手の獲得が可能かどうかを打診し始めているという。

 これは、遊撃手ではなく二塁手を手に入れ、今シーズン、ボガーツと併殺デュオを形成したトレバー・ストーリーを二塁から遊撃へ移す、というプランだろう。ストーリーは、昨オフにコロラド・ロッキーズからFAになり、レッドソックスと6年1億4000万ドル(2022~27年)の契約を交わすまで、遊撃を守っていた。レッドソックスは、ボガーツのオプト・アウトに備え、ストーリーを迎え入れた、という見方もできる。

 また、レッドソックスは、ボガーツよりも、ボガーツと三遊間デュオを組んでいたラファエル・デバースを引き留めておきたい――大枚を投じるならデバース――と考えているのではないだろうか。デバースの年齢は、ボガーツの4歳下。このままいくと、来シーズンの終了後にFAとなる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事