季節限定も捨てがたい!仙太郎さんの「ごましお」「落花生餡」のおはぎで秋のお彼岸に彩りを添えて
本店を構える京都のみならず、大阪や名古屋などの関西圏や都内でも大人気のお店「仙太郎」さん。その人気の秘訣は体に染み込むような自然な甘味のあんこは勿論、旬の素材や季節の行事に則ったお菓子、そしてなにより一年を通して自慢のおはぎをいただけることではないでしょうか。
さて、おはぎ専門店は例外として、和菓子屋さんのおはぎの売り上げが伸びる時期は一年のうちにふたつ。春と秋、それぞれのお彼岸ですね。勿論おはぎを通年販売している和菓子屋さんもございますが、お彼岸の中日から前後三日間の約一週間の期間限定販売というお店が殆ど。その中でも一年中お取り扱いのある仙太郎さんでは、それぞれのお彼岸限定の味が販売されるということもあり注目を集めています。
今回はそんな限定販売のおはぎから「ごましお」「落花生」のふたつをご紹介。
一見するとおにぎりのような見た目「ごましお」。どっしりとした仙太郎さんのおはぎだからこそより一層俵型のおにぎりのように見えてしまうのでしょうか。
黒胡麻とやや大きめに削られた氷餅(搗き上げたお餅を水に浸し、乾燥させてから削ったもの)のふわふわとした質感が、どことなくボリューミーな印象にも。しゃり、とも、じゃり、ともどちらともいえる一般的なおはぎにはなかなか掛け合わせられない食感と、黒胡麻だけではなく氷餅にも備わった香ばしさのような薫香が鼻の奥に充満し、やや大胆な素朴な香りともちもちとした食感に満たされます。青じそ入りの糯米の爽やかさが心地よく、しっかりと甘味のついたこし餡との相性も抜群です。
ただの白餡にあらず。一見するとほんのり温もり漂う色合いの白餡のように見えますが、「落花生」餡は白餡にはピーナッツのペーストが練り込まれています。そして上にはダイスの落花生が。外観だけではどんなあんこなのかなかなか判断がつきません。単純そうにみえて、ミステリアス…。
一般的な白餡よりぽってりとした印象の落花生餡は、ある程度の脂質をそなえているからか口当たりまろやかで、甘味や舌に残る余韻も角が無くまったりとした後味。かといってあまったるい、や、あぶらっこいというわけではないのが、やはり刻んだ紫蘇を混ぜた糯米のおかげなのでしょう。豆(白餡)と落花生、ほのかな塩気と、なんとなく白和えのような印象が思い浮かびます。落花生餡も糯米も弾力と噛み応えがあるので、ひとつでも満足度の高いおはぎです。
定番の粒餡、こし餡は勿論、その期間だけの味わいも待ち遠しいなと思ってしまうミーハーさに我ながら呆れることも。
とはいえ、季節を楽しむという意味では、良いミーハーなのかも。
残念ながらおはぎはお取り寄せ不可の商品となっておりますので、ぜひ都内や名古屋、大阪、京都などの購入可能な場所へ赴いた際にはおすすめです。