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KINGが発した一言の重み

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 「勝つチャンスはあった」。

 現地時間12日、"KING"レブロン・ジェームズは、115-119でダラス・マーベリックス戦を落とした後、そう言った。

 35得点14リバウンド13アシストをマークした敵陣の司令塔、ルカ・ドンチッチにお株を奪われた。

 2度の延長の末敗れたロスアンジェルス・レイカーズのレブロンは、左足首のケガで9日のデンバー・ナゲッツ戦を欠場。1月4日のゲームも体調不良でコートに立てなかった。

 KINGは、マーベリックス戦で放った3ポイントシュート7本の全てを外していた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 一方、この日のドンチッチは、自身56回目のトリプルダブルを決めただけでなく、第4Qの残り6秒にレイカーズに追いつく3ポイントショット、また延長戦の残り47.8秒にも3Pを成功させて再延長に繋げた。

 スロベニアからやって来てNBA5年目となるドンチッチは、現在23歳。まだまだ成長過程にありそうだ。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 レイカーズはKINGが万全でないばかりか、アンソニー・デイビス、ロニー・ウォーカー、オースティン・リーブス、パトリック・ビバリーを欠き、ベストな布陣ではなかった。12日の敗戦で西地区15チーム中13位と、苦しんでいる。今後、どう巻き返していくのか。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 気になるレブロンのNBA総得点数は37,989となり、カリーム・アブドゥル=ジャバーの記録、38,387に迫っているのは間違いない。間もなくKINGは記録保持者となるが、チームを勝たせてこその"KING"レブロンである。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20230104-00331252

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

「勝つチャンスはあった」。が、敗れてしまった現実の重みを誰よりも感じているのはレブロン・ジェームズだろう。

 明日(現地時間15日)は、ホームにフィラデルフィア・セブンティシクサーズを迎える。レイカーズ、そしてKINGの奮起に期待したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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