Blueskyは炎上しない
Twitter(現X)の代替SNSとして注目されていたBlueskyですが,立ち上げに協力し,資金提供してきたジャック・ドーシー氏が退任するというニュースが流れました.ドーシー氏はTwitterの創立者ということで,BlueskyがTwitterの後継となることの期待があったのですが,退任したということで,いったいどうなるのか気になるところです.
というわけで,久々にBlueskyのニュースも出たところで,Blueskyのデータを分析してみました.
まず,ジャックドーシー氏の退任を受けて,ブルースカイがどのくらいニュースになったのかをCeek.jp Newsから調べてみました.2024年1月1日から5月20日までの1日当たりニュースで扱われた件数をプロットしてみました.
これより,Blueskyに関してマスメディアで最もたくさん扱われたのは2月7日です.これは,Blueskyへ誰でも登録できるようになった日です.それ以降,ジャックドーシー氏の退任などはあまり注目はされていないようで,Blueskyに関するニュースはそれほど多くないようです.
次に,利用率について見てみましょう.
以前,登録が自由になった直後はBlueskyの利用率で日本が一番になったという記事を書きましたが,あれから3か月たった現在はどうでしょうか.2024年1月1日から5月20日までの1日当たりの主要言語の投稿数をプロットしてみました.
これを見ると,2月7日直後こそ日本語が一位でしたが,4月くらいから英語に逆転されていることが分かります.
英語はコンスタントに投稿がありますが,日本語の投稿は徐々に減っている様子が見て取れます.
とはいえ,1月1日~2月6日までの1日の平均投稿数が85,000件だったのに対し,2月7日以降は381,000件となっているため,オープン化したことで投稿数が4~5倍になったのは間違いないと言えそうです.
いや,でもこちらはあくまでも投稿のみを扱っているので,Twitterでいうところのリポストを含めるとどうなるのか確認してみました.こちらは2月7日からのデータです.
その結果,投稿のみよりも早く英語に逆転されていることが分かりました.2月半ばには逆転されています.
Twitterでは日本人はやたらリツイートを使って情報を拡散していましたが,Blueskyではそれほど拡散が起きていないようです.
そこで,各言語での投稿数+拡散数に占める拡散数の割合を見てみました.
日本語ではリポストが占める割合が15.4%であることが分かりました.Twitterでは50%を超えていることを考えると,日本のBlueskyではほとんど情報が拡散されていないことが分かりました.確かに,Blueskyを見ていてもあまり他人のポストがリポストされていることは無い気がします.
リポストが少ないということは,情報が拡散しないということでもありますが,炎上もしづらいということでもあります.炎上しがちな人はBlueskyを使うとよいかもしれないですね.
というわけで,3か月ぶりにBlueskyの分析を行ってみました.
その結果,一時期は投稿の半分近くを占めていた日本語投稿はだいぶ数を減らしており,一位の座を英語に明け渡しているようです.
特にリポストが使われていないことからも,日本においてBlueskyはTwitterの代替とはならず,インプレゾンビやらAPIの利用制限やら問題があるとはいえX(旧Twitter)の利用者が多いと推測されます.
Twitterに似た使い心地だったBlueskyに期待をしていたのですが,まだ利用者の増加は十分とは言えないようです.利用者増加につながるような大きな施策が期待をされる中,2024年5月23日にBlueskyにDMが導入されたというニュースがありました.果たしてこれで利用者は増えるのか,こうご期待.
なお,筆者はデータがとりやすいBlueskyを応援しています.