台風6号、週明け沖縄へ、本州付近でも大雨に警戒
コンパクトでも非常に強い勢力
台風6号は、強い風の吹いている範囲が比較的狭いコンパクトな台風なのですが、中心付近の最大瞬間風速は60メートルと非常に強い台風となっています。
このあと台風はフィリピン北部に上陸するか、あるいはかすめるような形で通過し、その後は勢力を落としながら沖縄付近へ北上する予想です。
台風はフィリピンに上陸するかしないかで、沖縄接近時の勢力が変わりそうなのですが、今のところ、狭いながらも暴風域を保ちながら接近する予想となっており、沖縄は暴風や高波に警戒が必要です。
沖縄を通過した頃からは上空の偏西風に流され、速度を上げて、日本の南海上を東寄りに進む予想です。予報円をみると北よりのコースを進むと、西日本~東日本に上陸するような進路となっていますが、沖縄を通過した頃からは海水温が25℃以下の海域へ進むため、台風としての構造が崩れ、温帯低気圧(あるいは熱帯低気圧)に変わって日本の南を進む可能性が高いものと思われます。
でも、油断は出来ません。時を同じくして別の低気圧が日本海を進むため、この低気圧に向かって台風が持ち込んだ暖湿気(暖湿流)が流れ込むために、西日本~東日本にかけても雨雲が発達し、太平洋側を中心に大雨のおそれがありそうなのです。
2011年5月11日とよく似た気象状況
実は今回と非常によく似た気象状況が4年前の2011年5月にもありました。
この時は台風1号が今回の台風6号と同じようにフィリピンをかすめるように北上し、沖縄を通過した後、九州の南で熱帯低気圧に変わりました。
しかし、時を同じくして大陸から進んできた低気圧に向かい、台風起源の非常に暖かく湿った空気が大量に流れ込んだため、西日本~東日本にかけての広い範囲で5月の雨量記録を更新するような大雨となったのです。
今回の台風6号はこの時よりも暖湿気(暖湿流)のレベルはやや劣ると思われますが、それでも西日本~東日本にかけては暖湿気のぶつかる太平洋側の南に向いた斜面を中心に大雨となるおそれがありそうです。
本州付近で最も雨が強まりそうなのは、今のところ12日(火)頃とみられます。
4月下旬以降は関東を中心に少雨の傾向が続いていますが、その関東を含めて、まとまった雨、もしくは大雨となるおそれもありそうですから、注意、警戒が必要です。