来週は“台風の暖湿気を巻き込んで発達する低気圧”に警戒を
台風1号はフィリピン付近へ
今週水曜日に発生した今年の台風1号は強い台風に発達しており、間もなくフィリピン南部に上陸する見込みです。その後もフィリピンに沿うように北上し、来週火曜日頃には熱帯低気圧に変わる予想ですが、日本への影響はその後に現れそうなのです。
この熱帯低気圧は海水温が25℃以下となっているフィリピンの北の海上で更に弱まり、ただの暖湿気に姿を変えると思いますが、その暖湿気は沖縄の南へと流れ込む予想です。
時を同じくして日本付近には大陸から深い気圧の谷が接近し、日本の南で低気圧が発生する予想となっています。
低気圧は暖気と寒気のぶつかり合いにより発達しますが、まれに南からの暖気がもと台風やもと熱帯低気圧の暖湿気の場合、この低気圧を更に発達させる(いわゆる爆弾低気圧)要因となり、日本付近に大荒れの天気をもたらすことがあるのです。
今回も台風起源の暖湿気の北上と深い気圧の谷の接近がまさに計ったように一致するタイミングとなり、低気圧は急速に発達しながら日本の南から関東付近へと進む予想です。
まだ、どれ位発達するのか?どれ位陸地に近付くのか?など不確定要素はいくつかありますが、仮に爆弾低気圧のような発達の仕方をしつつ陸地に近付くような場合、1月としてはかなりの大雨や暴風などを伴うおそれがあります。
また、今の予想では、日本付近の上空まで大きく暖湿気が流れ込むため、関東などの平野部で雪の可能性は小さいと思われますが、予想以上に下層寒気を引っ張り込んだ場合などは雪になる可能性も否定できません。その場合、降水量が多くなれば、内陸部や山沿いで湿ったドカ雪のおそれも出てきます。この雪に関しては、特に北日本太平洋側の山沿いなどが警戒地域です。
各方面とも来週の低気圧の通過に十分注意・警戒をなさって下さい。
熱帯起源の暖湿気により急発達した低気圧の事例(冬季)
2013年1月13日~14日にかけて
フィリピン北部付近にある熱帯低気圧の暖湿気を巻き込み、低気圧が急速に発達。
最深積雪は河口湖で43センチ、横浜13センチ、東京8センチなど大雪の成人式に。
最大瞬間風速は銚子で38.5メートルなど。
2004年12月4日~5日にかけて
台風27号の暖湿気を巻き込んだ低気圧が猛烈に発達しながら日本列島を通過。
首都圏で特に風がひどく、最大瞬間風速は東京40.2メートル、横浜43.4メートル、千葉47.8メートルなど記録的。