管理栄養士が教える!子どもの木の実(ナッツ類)アレルギーが増加中、発症を防ぐポイントは2つ
管理栄養士のしょこです。
近年、くるみやカシューナッツなどの木の実(ナッツ類)アレルギーを発症する人が増えています。
今回、令和6年度の消費者庁アレルギー報告では、木の実類(ナッツ類)はアレルギー原因の第2位となり、前回(令和3年度)に第2位だった牛乳を上回りました。
木の実類の種類別発症件数:全体数も増えています。
年齢別では、くるみが1・2歳で第2位と、今年度は木の実類が種類別で記載されており牛乳を上回る結果となっています。
3~6歳を見ても、くるみだけでも前回より増加しているのが分かります。
食物アレルギーは軽度の症状から命に関わるアナフィラキシーを引き起こすこともあるため、注意が必要です。
そこで今回は、アレルギー発症が多い木の実類と、その背景、さらに発症を予防するポイントをお伝えします!
アレルギー発症が多い木の実類(ナッツ類)とは?
くるみやカシューナッツ、発症件数の多いものを写真付きでまとめした。
※ちなみに、ピーナッツはマメ科で木の実ではありません。
なぜ増えているの?
- ナッツ類の消費増加
健康志向の高まりで、ナッツが「体に良い食品」として注目され、日常的に食べる人が増えています。スーパーのナッツコーナーには種類豊富なナッツが増えましたよね。 - 食べる機会の増加
子どもも、パンケーキやクッキー、グラノーラ、くるみ和えなどに含まれるナッツ類を自然に摂取する機会が多くなっています。細かくなっていて気付かず食べてしまうこと・・
発症を予防するためのポイント2つ
1. 原材料表示をしっかり確認する
食品のパッケージには原材料が記載されています。
特にアレルギーを引き起こす可能性が高い特定原材料(8品目)は表示が義務付けられています。
表示義務のある 8品目
えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)
加えて、アレルギー反応を起こす可能性がある原材料に準ずるもの(20品目)は表示が推奨されています。
特定原材料に準ずるもの 20品目
アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・マカダミアナッツ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン
表示は努力義務ですが、企業によっては積極的に表示されています。
子ども向けの商品、特にベビーフードですと全てが表示されていますね。
※今回の報告会で、カシューナッツが表示義務対象になる可能性も検討されているそうです。
2. 木の実類を与えるときは少量から
初めて木の実類を与える際は、体調の良いときに少量から始めてください。
離乳食の時のように慎重になり過ぎる必要はありません。
アレルギー体質がある場合や家族にアレルギーがある場合は、かかりつけ医に相談してから進めましょう。
アレルギーかも?と思ったときは
万が一、アレルギー症状が出た場合は、迅速な対応が必要です。
東京都保健医療局の「食物アレルギー緊急時対応マニュアル」を参考にしてください。
最後に!
木の実類(ナッツ類)アレルギーへの正しい知識を持つことで、身近な食品の表示を確認する習慣がつき、過剰な表現にも惑わされずに冷静に対応できるようになります。大切なお子さんの健康を守るため、無理のない範囲でできることから始めてみましょう。