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田中優子法大前総長、望月衣塑子氏らが幻冬舎と見城徹社長に訴えられる。テレビ朝日株主提案をめぐる配信で

赤澤竜也作家 編集者
4月8日、テレビ朝日HDへ向かう田中優子氏(右)、前川喜平氏(左) 筆者撮影

田中優子法政大学名誉教授・前総長、ニュースサイト「Arc Times」編集長の尾形聡彦氏、同サイトのキャスター望月衣塑子氏らが(株)幻冬舎および同社の見城徹社長から訴訟を起こされていたことがわかった。

前川喜平元文科省事務次官と田中優子氏が共同代表を務める「テレビ輝け!市民ネットワーク」はテレビ朝日ホールディングスに対し、4つの株主提案(会社からは、第4議案~第7議案の通し番号を付されている)を行っており、6月27日の定時株主総会にて議決されることになっている。

このうち第5号議案は子会社テレビ朝日が、放送番組審議会の委員長である見城徹氏の経営する幻冬舎の出版物を、広告であると誤解や疑念を生じさせかねない内容で放送しているとし、第三者委員会の設置を求めるもの。

また第6号議案は見城氏が放送番組審議会委員を約20年以上務め、委員長も11年目となるなど、在任が長期化していて審議会の議論を支配する危険性があるため、定款にて委員の任期を定めるよう求めている。

訴状によると、原告側は「Arc Times」配信の番組内で、これらの株主提案についての被告側の発言に名誉毀損があったと主張している。

「テレビ輝け!市民ネットワーク」事務局の阪口徳雄弁護士、梓澤和幸弁護士、杉浦ひとみ弁護士は、

「訴訟により株主総会における議論の自由闊達さが失われてはならない。また中小の市民メディアの活動を萎縮させることなく、かえってその存在感を輝かせるきっかけにしたい」

という見解を持っており、6月27日のテレビ朝日ホールディングス株主総会後の記者会見にてこの訴訟についても触れるという。

代表に対する(株)幻冬舎と見城徹同社社長からの提訴をうけ、作り直された「記者会見のお知らせ」第2弾。「テレビ輝け!市民ネットワーク」提供
代表に対する(株)幻冬舎と見城徹同社社長からの提訴をうけ、作り直された「記者会見のお知らせ」第2弾。「テレビ輝け!市民ネットワーク」提供

なおテレビ朝日HDに対する株主提案の内容は以下のサイトの「株主提案の内容のご案内」「提案の補足説明」で読むことができる。

https://tv-shine-more.awe.jp/

作家 編集者

大阪府出身。慶應義塾大学文学部卒業後、公益法人勤務、進学塾講師、信用金庫営業マン、飲食店経営、トラック運転手、週刊誌記者などに従事。著書としてノンフィクションに「国策不捜査『森友事件』の全貌」(文藝春秋・籠池泰典氏との共著)「銀行員だった父と偽装請負だった僕」(ダイヤモンド社)、「内川家。」(飛鳥新社)、「サッカー日本代表の少年時代」(PHP研究所・共著)、小説では「吹部!」「白球ガールズ」「まぁちんぐ! 吹部!#2」(KADOKAWA)など。編集者として山岸忍氏の「負けへんで! 東証一部上場企業社長VS地検特捜部」(文藝春秋)の企画・構成を担当。日本文藝家協会会員。

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