ノート(13) 逮捕に際して何を語り、何を押収されたか
~葛藤編(10)
逮捕当日(続)
慌てる
逮捕状を執行した後は、間を置かず、たたみかけるようにして取調べを行うのが捜査の常道だ。「おそらく逮捕はされないだろう」という勝手な思い込みが打ち砕かれ、否認していた被疑者が「あきらめ」の気持ちを抱き、被疑事実を認めるチャンスだからだ。
しかし、ここで少し空白の時間ができてしまい、取調べが行われていた執務室内に緊張感の欠けた空気が漂ってしまった。最高検の準備不足や若い検察事務官の経験不足もあり、実に間の抜けた事態となったからだ。
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