ドン・ファン事件で元妻が新証言 覚醒剤入手や完全犯罪の検索履歴をどう説明? #専門家のまとめ
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた男性が急性覚醒剤中毒で不審な死を遂げた事件の裁判も終盤を迎えています。来週18日の公判で論告求刑と最終弁論が行われて結審し、来月12日には判決が言い渡される予定です。殺人罪に問われている元妻による新証言、特に覚醒剤の入手や「老人 完全犯罪」「覚醒剤 過剰摂取」といったネットの検索履歴を法廷でどう説明したのか、参考となる記事をまとめました。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
元妻の証言は、男性が生前に覚醒剤を欲しており、最後も自ら飲んで自殺したか、量を間違えて誤飲したと主張する内容となっています。検索履歴の点も、単なる偶然で事件とは無関係だというものです。
裏付け不能な話が多いわけですが、元妻は他の証拠と矛盾しない説明にも心がけています。氷砂糖を砕いた偽物を元妻に売ったという密売人の証言を踏まえ、男性の依頼で覚醒剤を入手して渡したあと、男性から「あれは使い物にならん。偽物や」と言われたと供述している点です。
ただ、元妻は捜査段階で自分も男性も覚醒剤の入手に関与していないと供述していました。法廷での話を警察にしても信じてもらえないと思ったからだと述べていますが、起訴後に唐突に話し始めたからといって、なぜ裁判所が信じることになるのか、元妻の私物から覚醒剤反応が出ている点を含め、納得できる説明には至っていません。
一方で、検察側の主張にも穴があります。そのまま飲むと苦い覚醒剤をどのようにして大量に飲ませたのか未解明である点です。元妻の供述の信用性を裁判所がどう判断するのか、検察側の状況証拠で有罪と認定するのか、来月の判決が注目されます。(了)